オープンカーとは
若者のクルマ離れが顕著となった昨今にはあまり聞かなくなりましたが、一昔前までは若者の多くはこのオープンカーを運転してみたいと憧れを持ったものです。颯爽と走るオープンカー、隣に乗っている女性はほとんど美人と相場は決まっていたのもですが、最近ではあまり見かけなくなった光景です。
さて、このオープンカーという言葉は、実は和製英語で、屋根がないか、もしくは屋根解放が可能な乗用自動車のことを指します。日本ではオープンカーとして広まりましたが、馬車の時代からボディスタイルを詳細に区別する欧米では、国によってその呼び方は変わります。
日本でも、BMWやベンツ、アウディのオープンカーはカブリオレという名称で販売されているように、ドイツやフランスではカブリオレ・カブリオレット、あるいはカブリオと呼ばれ、イギリスではロードスター、あるいはドロップヘッドクーペと呼ばれます。アメ車の場合にはコンバーチブルです。
クルマの始まりはすべてオープンカーだった
黎明期の自動車は基本的にはすべてオープンカーだったということをご存知でしょうか?そういえば教科書に乗っていたクルマをオープンカーだったようなと思い出す方もいらっしゃるかもしれませんが、エンジン出力に制限があったこの時代には、自動車に大きな屋根を取り付けて重量を重くすることは、速度を低下させてしまうもの以外の何物でもなかったのです。
やがてクルマが一般家庭まで普及するようになってくると、エンジンの出力が上がって必要なだけの馬力やスピードが確保できるようになると、二の次だった車内の居住性まで配慮されるようになり、恒久的な屋根で覆われた箱型のクルマが以後の主流となっていきます。
日本のオープンカー
日本車としてのオープンカーの歴史は、1933年の日産ダットサン12型フェートンに始まります。この時代はクルマが一般に普及する時代ではありませんでしたが、この流れは戦後初のオープンカーとなる1952年のダットサン・スポーツDC-3などに引き継がれ、1959年の「フェアレディ」へと受け継がれていきます。
現在、日本車のオープンカーというとマツダのロードスターというイメージが強いですが、マツダが1989年に発売したユーノス・ロードスター(後のマツダ・ロードスター)は、新時代のロードスターの先駆けであり、今日ではロードスターの代名詞ともなりました。
1980年代前半は、この分野は隙間市場となっており、一部の海外高級自動車メーカーを除くほとんどの自動車メーカーはオープンカー市場には進んで手を出すことはありませんでした。
しかし、ユーノス・ロードスター(マツダ・ロードスター)は2004年4月までに約70万台を出荷し、2人乗りの小型オープンスポーツカーの生産台数世界一としてギネス認定されるなどこの分野での最高傑作ともなっており、また、2002年にはダイハツのコペン、2015年にはホンダのS660 が発売されるなど新車の開発もわずかながら進んでいます。
日本という国土の問題から、オープンカーを楽しむという光景はなかなか発想しにくいところもあり、都心部などでもオープンカーが走っていると物珍しい光景というイメージでとらえられることが多いですし、むしろ、軽井沢などのような高級避暑地のほうが国内では普通にオープンカーで走れるのかもしれません。
また、オイルショック以来、省エネ車の競争開発に各自動車メーカーは総力を挙げることになり、現在でもハイブリット、PHV、EVと、コンパクトカータイプで燃費の良いクルマが売れ筋となっています。なかなか、オープンカーが爆発的に人気車となるという時代にはならないようです。
カーシェアリングでもオープンカーが借りられる
一度はオープンカーを運転してみたいという人も多いでしょうが、そんな人におすすめの方法がカーシェアリングの利用です。首都圏中心に急成長しているカーシェアリングサービスですが、その中でも最大手のタイムズカープラスを猛追する三井系のカレコではオープンカーも借りることができます。
カレコで借りれるのは、メルセデスベンツ C180カブリオレスポーツ、マツダ ロードスター、スマート スマート ブラバス カブリオ Xcなどとなります。何とベンツも借りれるんですね。料金は以下の通りで、通常料金よりは若干高めになりますが、レンタカーを借りることを考えたら格安料金で利用することができます。
メルセデスベンツ C180カブリオレスポーツ、マツダ ロードスターはプレミアムクラス、スマート スマート ブラバス カブリオ Xcはコンパクトクラスの料金で利用できます。
10分 | 6時間パック | 12時間パック | 24時間パック | 夜間パック | |
コンパクトクラス | 130円 | 3,800円 | 5,300円 | 6,800円 | 2,500円 |
プレミアムクラス | 240円 | 6,800円 | 8,000円 | 9,800円 | 4,500円 |
※6時間を超える予約・利用の場合には距離料金(16円/km)が発生します。
※夜間パックは、19時から翌9時まで利用可能です。
6時間パックだと、メルセデスベンツ C180カブリオレスポーツを借りてもガソリン料金無料で楽しむことができます。
尚、タイムズカープラス、およびオリックスカーシェアでは、現時点(2018年10月)ではオープンカーは提供されていません。その他の方法では、個人間カーシェアのAnycaなら多くのオープンカーを利用することができます。
オープンカーを運転する際の注意点
オープンカーを運転する際には、屋根がないだけに安全性を不安に思う人もいますが、これについては何度も安全テストが実施されており、仮に横転した場合にも生存空間が確保されるような作りになっていますので安心です。
むしろ注意すべきは駐車時で、駐車する際には短時間であっても屋根をしめるようにします。防犯上の問題もありますし、急な雨の場合には車内がびしょ濡れ状態になります。
まとめ
一度は乗ってみたいと思っている人が多いオープンカーですが、何とカーシェアリングのカレコではオープンカーが格安価格で提供されており、カーステーションは限定となりますが、渋谷や新宿に行けばオープンカーを利用することが可能です。
残念ながら、タイムズカープラスやオリックスカーシェアでは現時点ではオープンカーは提供されていませんが、個人間カーシェアのAnycaなら多くのオープンカーを利用することができます。
まさに、クルマは所有する時代から楽しむ時代になったという感がありますが、天気の良い日にでもオープンカーを借りてみてはいかがでしょうか?
そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!