エンジンオイルが重要なのはわかっているが!
有人ガソリンスタンドで給油していると、「エンジンオイルをチェックしてもよろしいでしょうか」と店員さんに言われ、言われるがままに点検してもらうと、「だいぶ汚れているようですので交換してもよろしいですか?」と言われ、よくわからないままに「じゃあ~、お願いします。」、こんな経験をしたことがある人も多いと思われます。
セルフスタンドが多くなった最近では、あまり耳にしなくなった話ですが、エンジンオイルが重要なことは分かっていても、実は、あまりよく理解していない人が大半だとも思われます。
世界規模では約8兆円にも迫る市場となっているエンジンオイルについて、この機会に徹底的に理解しておきましょう。
エンジンオイルの役割とは
行きつけのガソリンスタンドや定期点検時などで何気に交換しているエンジンオイルですが、クルマの心臓部分であるエンジンにとって必要かつ重要なものであることはほとんどの方が理解しているでしょうが、その役割については意外と正確には理解されていません。
エンジンオイルとは、エンジンがかかっている時には、常にエンジン内を循環していいます。エンジンオイルがなければ、エンジンは壊れてしまうことになりますし、エンジンオイルが汚れているとエンジンに負担をかけてしまうことになります。
一般的には、エンジンオイルには以下の5つの役割があるといわれています。
潤滑
エンジンオイルというくらいですから、エンジンオイルには油のつるつるとした性質が備わっていますが、この特性を活かした「潤滑」という役割が最も重要となります。
エンジンの内部ではピストンとシリンダーのように金属同士が接触し、擦れ合っていますが、オイルがない状態ですとあっという間に焼き付いてしまいます。油には潤滑する特性がありますので、金属間にエンジンオイルを介在させることで摩擦熱の発生が緩和できます。
冷却
2つ目の役割は、エンジンオイルの熱を伝えるという特性を利用した冷却です。エンジンの中で発生した熱をオイルが吸収してエンジンの外に逃がしていきます。エンジンの熱をオイルが逃がすにはエンジンオイルの湯温は一定のレベルまで保たれて老いる必要があります。
高性能なエンジンでは、オイルクーラーが搭載されてオイルの温度が管理されています。
密封
3つ目の役割は、オイルの粘りを利用した密封です。クルマのエンジンでは、ピストンとシリンダーが利用されていますが、エンジン内部の燃焼室でガソリンなどの燃料を爆発させ、その燃焼ガスの圧力でピストンがシリンダーの中を動きエンジンを動かしています。
その際には、ピストンとシリンダーの間に隙間があると圧力が逃げてしまうため、オイルの粘りを利用して密閉しているのです。つまり、エンジンオイルがあって初めてエンジンのパワーが発揮されるわけです。
洗浄
冒頭で、エンジンオイルが汚れていると交換を進められるというのは、エンジンオイルには洗浄の役割があるからです。
エンジン内でガソリンなどの燃料が燃えると「スス」などの汚れが発生します。洗浄性能の高いエンジンオイルはこの汚れ取り込む役割があります。エンジンオイルが黒く変色するのはエンジン内部が汚れる代わりに、オイルがススなどの汚れを取り込んでいるからといえます。
防錆
オイルが金属の表面に膜を作ることで、水分が金属に直接触れることを防ぐため、防錆の効果があります。
以上、5つの役割がエンジンオイルにはありますが、よく考えてみると、どれも重要な役割ばかりで、エンジンが出力できるのはエンジンオイルがあるからといってもよさそうです。
自分のクルマにあったエンジンオイルとは
カーショップに行くと多くの種類のエンジンオイルが売ってありますが、自分のクルマにあった種類のエンジンオイルはどうやって選べばよいのでしょうか?
基本は、自動車メーカー指定のエンジンオイルを指定量入れるというのが間違いありませんが、必ずしも指定されたエンジンオイルでなくとも種類があってさえいれば大丈夫です。
エンジンオイルにはどのような種類があるのでしょう。
エンジンオイルを選ぶ際には、3つのポイントを抑えておく必要があります。3つのポイントとは、それぞれ、①粘度、②ベースオイルの種類、③品質規格の高さ、となります。
この3つのポイントを見て、車種、走り方、走る季節や地域にあうものを選ぶことが、クルマを長持ちさせたり快適な走りを可能とします。
特に、粘度に関しては車種によって推奨粘度が決まっていますので、ここは必ず押さえておくことが重要です。
粘度の数字
粘度とは、エンジンオイルの硬さのことを表しており、車種によって推奨粘度があります。
例えば、「5W-40」と表示されているエンジンオイルの場合には、5という数字の部分は、エンジンオイルの柔らかさを示しており、この数字が小さいほど低温時に柔らかく、寒さに強い・エンジンの始動性が良い・燃費効率が良いという特徴があり、冬向きのオイルといえます。
また、40という数字は、この数字が大きいほど高温時に硬く、熱に強い・高速走行に適する・耐摩耗性に優れるという特徴も持ち、この数字が大きいほど夏向きのオイルといえます。
一般的には、「5W-30」といった低粘度に優れたエンジンオイルが、コンパクトカーファミリーカー向きとなり、「10W-40」といった高粘度のエンジンオイルが大型車やスポーツカー向きとなります。
ベースオイルの種類
エンジンオイルの性能は、このベースオイルで見分けます。ベースオイルには、「化学合成油」「部分合成油」「鉱物油」の3種類があり、100%合成が最も性能が良くなります。
一般的には、街中を走ったり、たまに高速道路を走行する程度なら鉱物油、毎日運転し高速道路もしょっちゅう走るような場合には部分合成油となり、化学合成油はスポーツカーやクルマを大事にしたい人向けとなります。
品質規格とは
エンジンオイルの品質規格とはエンジンオイル自体の品質のことで、API(アメリカ石油協会)とILSAC(日米自動車工業会)によって決められています。
ILSACの規格は、APIの規格に省燃費性能を加えて考えられている規格となります。
省燃費オイルとは
最近の新車では、ほとんどのケースで省燃費オイルが推奨されています。省燃費オイルとは、「0W-20」「5W-20」のエンジンオイルとのことで、摩擦抵抗を極限まで抑えた柔らかさと、高温でも安定した保護性能を両立させたエンジンオイルです。
エンジンオイル交換の目安は
それでは、エンジンオイルが汚れてきて交換する目安とはどのくらいとなるのでしょうか?一般的には、走行距離で3,000km~5,000km、または3~6か月ごとといわれています。
ガソリンスタンドなどでは、エンジンオイルの汚れを確認してから判断しますが、一応の目安としては上記の数字が参考となります。
まとめ
エンジンにとって、エンジンオイルの存在は非常に重要ですが、その数字の意味などはほとんど知らないという人が多いと思われます。少しばかり面倒ですが、これを機会に自分でもエンジンオイルの種類が判別できるようにしておくとよいですね。
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