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バレーパーキングって!
バレーパーキングってご存知でしょうか!セレブ(?)な方なら知らない人はいないと思いますが、ホテルのエントランスに車で乗り付けると、ボーイさんがホテルの駐車場まで運転して駐車してくれるサービスのことです。
一見すると贅沢なサービスのようにも思えますが、実は、多くのホテルのエントランスにはクルマを停車するようなスペースはないことが多く、また、駐車場も離れているケースが多いため、理に適ったサービスでもあるのです。
バレーパーキングシステムとは
高級ホテルではお馴染みのバレーパーキング、このサービスをボーイさんではなく、完全に自動運転で行ってしまおうというのが、バレーパーキングシステムです。
すでに、自動車メーカーではリモートパーキングシステムが提供されており、一定の部分までは自動運転で駐車場でのクルマの出し入れが可能となっていますが、こちらのバレーパーキングシステムでは完全自動駐車となります。
簡単に違いを説明すると、リモートパーキングシステムでは駐車場の駐車スペースまで乗り付けて、車内もしくは車外からリモートでクルマを駐車スペースに入出庫します。
これに対して、バレーパーキングシステムでは、駐車場に到着しクルマから降りると、後は自動でクルマが駐車スペースのところまで自動運転し駐車枠まで進み駐車が完了するというシステムです。
メルセデスベンツやBMW、テスラなどのリモートパーキングシステムは、駐車枠付近まではドライバーが運転して、そこからリモートで狭い駐車枠に入れたり出したりするシステムです。
バレーパーキングシステムは、言ってみれば、勝手に駐車枠まで自走して、さらに戻ってくるというシステムで、ドライバーはスマホアプリから操作するだけでOKです。
JARIによる自動バレーパーキング機能実証実験
2018年11月13日~15日、東京お台場のデックス東京ビーチ駐車場において、JARI(日本自動車研究所)による自動バレーパーキングシステムの実証実験が公開されました。JARIの他、アイシン精機、デンソーテンの他、トヨタ自動車や三菱電機も協力しています。
今回の実証実験では、バレーパーキングシステムに必要な管制センター、クルマ、駐車場の協調制御で構成されており、2021年までにペーパーの発行を目指す国際標準化(ISO22374)を視野に入れ、各国と協議中とのことでした。
今回の実証実験におけるバレーパーキングシステムは、駐車場に入ってきたクルマが駐車場の地図情報を受ける、加速度センサーなどの車両センサーに加えて、駐車場に配置されたマークで自動位置を把握して10㎝単位で自車の位置を補正しながら、「レベル4」に相当する自動運転で自動的に駐車するというものです。
自動バレーパーキングシステムを利用した入出庫の方法とは!
JARIによる実証実験では、駐車場内での自動運転時の速度は3km/h程度の速度で行われ、バレーパーキングの際には、ドライバーはスマホアプリで入出庫の指示を行いました。
入庫時
- 降車場でドライバーがクルマから降りる
- ドライバーがスマホアプリで入庫をリクエスト
- 管制センターが経路や駐車するスペースを配信
- クルマが低速で自動運転し、駐車
出庫時
- ドライバーがスマホアプリから出庫をリクエスト
- 管制センターがリクエスト順などから出庫する順序を確定
- 自動運転で出庫、乗車場所に縦一列に並んで停車
緊急時
管制センターからの指示により、全車両が一斉にブレーキをかけて停止
自動バレーパーキングシステムのメリット
高級ホテルのバレーパーキングのような、自動バレーパーキングシステムには多くのメリットが存在します。
駐車場内での事故や盗難が減少する
普段あまり運転しない人も多く利用するカーシェアも含めて、実は駐車場内での事故は非常に多く、交通事故の25%前後を占めるというデータもあります。
スーパーの駐車場などでも、駐車場内での事故には関知しない旨の張り紙はよく見かけますが、これは当て逃げなども含めた駐車場内での事故の多さを物語っており、結構厄介な問題となっているということでしょう。
また、駐車場内には基本的には人の出入りがなくなりますので、事故の減少ばかりでなく盗難予防としても機能します。
乗員は常に広いスペースで乗り降りができるようになる
軽自動車だと楽々乗り入れできるようなところでも、ワンボックスカーや大型セダンともなると乗り降りに苦労することもよくあります。自動バレーパーキングシステムなら、常に広いスペースで乗り降りが可能となり、お子様、お年寄りも楽に乗り降りができるようになります。
駐車場の敷地を最大限に活用できるようになる
無人駐車スペースでは、乗員の乗り降りを想定する必要がなくなるため、ドアが開閉できないような狭いスペースでも問題なくなり、結果として、駐車場のスペースを最大限に利用することが可能となります。
市販車に大きな手を加えなくても利用可能
自動バレーパーキングシステムのリクエストは、スマホアプリや車両の制御ソフトウェアで行うことが想定されており、市販車に大きな手を加えたり、新型車を購入するなどの手間なく、誰でも利用することができるようになります。
自動バレーパーキングシステムの課題とは!
プロドライバー以上の自動駐車技術が求められる
リモートパーキングシステムでは、駐車が困難なケースに利用したり、駐車場でのクルマの出し入れが苦手だという人は利用しますが、そうでないケースでは、自分で駐車したほうが速いという理由で利用しないということも選択可能です。
しかし、自動バレーパーキングシステムの場合には、駐車場内は無人化されすべて自動で行われますので、実証実験の3km/hなどでは、自分で運転したほうが速いと感じる人も出てくることが想定されます。
つまり、自動バレーパーキングシステムが普及するためには、プロドライバー以上の自動駐車技術が必要となります。
管制センターの運営が必要
自動駐車リクエストを処理する管制センターの運営が必要となってきます。これは、バレーパーキングシステムの最大の課題になると思われます。
通信やセキュリティなどシステム面での整備が必要
スマホおよび車両と管制センターが通信を行うにあたっては、電波の干渉やセキュリティ対策が必要となります。また、自動駐車に当たっては、空きスペースや障害物を感知するシステムだけでなく、自車位置を測定するシステムも必要となります。
まとめ
メルセデスベンツやBMW、テスラや日産リーフなどのEVに搭載されたリモートパーキングシステムだけでも驚きなのに、さらにその上を行くバレーパーキングシステムも実現間近となっているようです。
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