コロナショック 車両販売台数

コロナウイルスの影響は? 新車販売台数が劇変

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国内の新車販売台数の4月実績 約28%の落ち込み

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新型コロナウイルスの影響は、各方面に拡散しているのが実情です。

企業の業績が厳しくなってきており、それに連れて休業などにより個人の収入も減少している事実があります。

また、外出自粛によって旅行に出かけるという機会も減っています

様々な要因が重なることで、新車の販売台数も確実に減少しているのです。

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が毎月発表している新車販売統計のトレンドを確認してみましょう。

車種別の販売実績

2020年5月1日に発表した2020年4月実績は以下のようになっています。

普通車以外の軽自動車や貨物車、バスなども80%近い下落を見せていますが、普通車だけが際立って見えますね。2019年4月と比較すると、普通車で前年比62.3%と大幅な下落を見せています。

やはり、価格が高い車種の販売が伸び悩んでいるという実情があるのは間違いありません。

2019年10月に消費税が10%に引き上げられて大きく自動車販売台数が減少していますが、それに匹敵するほどの大きなインパクトがある数字となっています。

【新車販売台数】ノートとアクアがまさかの大失速!一体何が起こっているのか?

メーカー別の販売実績

こちらが、メーカー別の3月実績における前年対比販売実績の推移となります。

この中で特筆すべきはダイハツの伸び具合です。

ライズのダイハツ版となるロッキーが絶好調で、販売を大きく伸ばしているのが特長です。

ダイハツ自体が、販売台数が他のメーカーと比較して少なく、特定車種の人気が上がれば数字に反映されやすいわけですが、それでも延び幅の大きさには驚かされます。

また、マツダや三菱ふそうも同様に100%台をキープしています。

三菱ふそうはトラック系の需要が高いこともあり、あまり影響を受けていない可能性があります。

その一方で、トヨタは96.2%、ホンダは81.4%、日産に至っては67.6%という大幅な落ち込みを見せています。

最も大きな落ち込み幅となっているのは三菱で、51.5%という状況です。

明らかに、コロナウイルスの影響を受けているのは間違いありません。

4月の速報値としても、トヨタが20.7%減、レクサスが23.3%減、ホンダが14.2%減、マツダが26.2%減となり、更にスズキが47.0%減、日産が53.2%減、スバルが56.0%減、三菱が65.2%と大幅な減少となっています。

新型コロナウイルスの感染拡大による非常事態宣言が出されたのが4月7日となりますが、それ以降は各新車販売店への訪れる人が減少しています。

トヨタのディーラーにおいても、緊急事態宣言が発令された4月初旬以降は、来場者は激減していると嘆いている状況です。

当初は、緊急事態宣言が5月7日に解除される見込みでありましたが、延長されたことによって更なる低迷を招く可能性は十分に考えられます。

コロナウイルス流行後のトレンド

では、コロナウイルスが流行し始めた2月の前後で前年比は、どのようなトレンドとなっているのかについて解説します。

車種別のデータとなりますが、既に1月度において全体的に販売が伸び悩んでいますが、これは消費税増税の反動があるのは間違いないようです。

それを除外しても、3月まではまだ比較的販売台数を維持できていたのに対し、緊急事態宣言のあった4月には、明らかに大きく減少していることがわかりますね。

 

世界のトレンドは?

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コロナウイルスは、日本以上に世界各国で深刻な影響を及ぼしています。

これは、自動車販売台数としても顕著にその傾向が現れております。

イギリス自動車工業会が発表している、2020年4月の新車販売台数を見ると4,321台となっています。

2019年4月は160,1064台の新車販売台数だったこともあり、昨年同月比としてみると-97.3%というありえないほどの落ち幅となっています。

また、イギリスだけでなくヨーロッパ各国でも同様の傾向があり、主要国の販売実績は以下となっています。

国名 前年度との比較
イギリス -97%
イタリア -98%
フランス -89%
スペイン -97%

この数値を見ると、日本の落ち幅は決して大きなわけではないことがわかりますね。

イギリスでは、緊急車両や店舗閉鎖前に注文を受けた一部の車両の生産だけしか行われておらず、1~4月の累計は前年同期比43%減となっています。

2020年通年の販売台数も168万台に下方修正していますが、これは1992年以来の低水準となります。

パワートレーン別の実績

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イギリスの販売実績において、パワートレーン別でのトレンドをまとめると以下のようになります。

パワートレーン 販売台数 前年度との比較
ディーゼル 1,079台 -97.6%
ガソリン 1,553台 -98.5%
BEV 1,522台 -9.7%
PHEV 95台 -95.1%
HEV 48台 -99.3%
MHEVディーゼル 75台 -94.8%
MHEVガソリン 97台 -96.8%

唯一、電気自動車のBEVが-9.7%ととどまっていますが、他のパワートレーンは大幅下落しています。

原油価格が大幅な減少を見せる中でガソリン車が伸びてもおかしくない状況でありますが、そもそも生産自体が縮小されている中で、電気自動車がより普及を見せる可能性があります。

イギリスにおける車種別売り上げにトップにテスラが躍り出る!?

この状況下で、大きなトレンドの変化が見て取れるのが、車種別の売り上げです。

2020年4月と前年同月のイギリスにおける販売数ランキングは以下のようになっています。

2020年4月 2019年4月
ランク メーカー/モデル 台数 メーカー/モデル 台数
1 テスラ ・モデルX 658台 フォード・フィエスタ 5,606台
2 ジャガーI-Pace 367台 フォード・フォーカス 4,565台
3 ボグゾール・コルサ 264台 VWゴルフ 3,953台
4 ボグゾール・クロスランドX 143台 日産キャシュカイ 3,791台
5 フォード・トルネオ・カスタム 108台 メルセデス・ベンツAクラス 3,584台
6 プジョー・リフター 94台 フォード・クーガ 3,455台
7 セアト・レオン 80台 VWポロ 3,022台
8 メルセデス・ベンツAクラス 72台 VWティグアン 2,822台
9 日産リーフ 72台 ボグゾール・コルサ 2,728台
10 プジョー308 67台 ヒュンダイ・ツーソン 2,702台

2019年はフォードやVWなどの大手メーカーがしのぎを削っていたのですが、2020年4月のトップはなんとテスラです。

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電気自動車のパイオニアとして有名なメーカーですが、シェアとしては決して高くありません。

ただ、このご時世もあって他社が落ち込む中で、販売を維持してイギリスで売れている車を輩出しています。

他にも、エコカーが軒を連ねているのが特徴的ですね。

一方、大手を見るとBMWグループは2020年第1四半期の世界新車販売の結果を発表し、総販売台数は470,7111台で前年同期比20.6%減となっています。

これは、11年ぶりに前年実績を下回ったことになり、大打撃を受けていることが伺えます。

購入よりもレンタルやカーシェア

新型コロナウイルスは、まだまだ終息する見込みが立っていません。

今後も、どれだけの被害を及ぼすか読めない中で、新車を購入するのに中暑してしまうのは致し方ないものです。

そこで、購入ではなくレンタルやカーシェアというのもおすすめです。

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海外では好調な日本の自動車メーカー、国内市場で新車販売台数が減少しているのは何故?

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