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カーシェアなど次世代型のモビリティサービスでニーズが高まる、ワンストップ型ETCとは?

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○○ペイ乱立!

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「PayPay」「楽天ペイ」「Line Pay」、早くも撤退した「セブンペイ」に、事実上破たんした「Origami Pay」と、乱立する○○ペイですが、これらはモバイルSUICAなどのスマホ決済とは少し異なるQRコード決済のことです。

なぜ今さらという感じもしますが、これには2025年までに日本のキャッシュレス決済の比重を40%までにするという政策が大きな影響を与えています。

最近では、高齢者の方もスマホを所有するようになりましたので、誰でも利用ができますし、クレジットカード決済を導入できなかったような小規模店舗などでも簡単に導入することができます。

個人的には、このQRコード決済方式はそれほど長続きしないのではと懐疑的なのですが、それはさておき、キャッシュレス決済化を進めるという国策はETCカードにも少なからず影響を及ぼそうとしています。

ETC2.0って?カーシェアで使えるの?

実は高性能なETCシステム

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高速道路の料金所では、ETC利用の場合には時速20kmまで減速するようにと書いてありますが、これは、減速しないとETCバーにぶつかる可能性があるからで、ETCカード決済には何ら影響はないそうです。

実は、ETCシステムは非常に高性能なシステムで、ある程度の速度で料金所を通過したとしても(実際にはETCバーにぶつかりますが)、しっかりと決済することができるようになっています。

このこと自体は、ETCシステムが導入された時から分かっていたことで、当時は、ETC以外で、例えば、ガソリンスタンドやコインパーキングなどでの決済に利用できないかというアイデアは出されていました。

ところが、高性能システムゆえにセキュリティの問題などの障壁も高く、実現されることなく現在に至っていました。

ここにきて前述のキャッシュレス決済の促進が国策として進められることになり、再び、ETCカードの活用の実現化が検討されるようになりました。

 

ネットワーク型ETC技術

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ETCカードの活用実現化のキーとなりそうなのが、ネットワーク型ETC技術と呼ばれるものです。

ネットワーク型ETC技術とは、国土省の定義によると、遠隔地に設置したセキュリティ機能を有する情報処理機器と、駐車場等における複数の路側機を通信ネットワークで接続し、路側機で取得した情報を集約させて一括処理する、ETCカード決済の安全性を確保する技術です。

つまり、ETC型ネットワーク技術は、ETCカードの情報を使ったキャッシュレス決済に繋がるものなのです。

 

ワンストップ型ETCとは

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このETC型ネットワーク技術を利用した新しいキャッシュレス決済システムとして注目されるのが、ワンストップ型ETCと呼ばれるETCカードです。

通常のETCカードでは、料金所をノンストップで通過しますが、このワンストップ型ETCでは名前の通り料金所での一旦停止が必要となります。

今さらETCゲートの前で一旦停止するというのはナンセンスでは?と筆者も思ったのですが、どうやらワンストップ型ETCカードには、そのデメリットを我慢したとしてもそれを上回るだけのメリットがありそうなのです。

その重要なキーとなるのが前述したネットワーク型ETC技術です。

ネットワーク型ETC技術を活用することで、前述のコインパーキング、ガソリンスタンドやドライブスルーなどで、幅広くETCカードが利用できるようになります。

ネットワーク型ETC技術では、送受信機の設置などの初期費用やメンテナンスなどの維持管理費用も安価で済むという大きなメリットもあり、このワンストップ型ETCであれば、これまでコストやセキュリティの面で二の足を踏んでいた事業者もETCを活用しやすくなります。

今後デフォルトになると思われるEVの給電の際には、ワイヤレス給電の普及が鍵となるかもしれませんが、将来的にはワイヤレス給電であっという間に充電が完了し、ワンストップ型ETCカードで簡単決済が可能となるのかもしれません。

 

神奈川県の本町山中有料道路で社会実験を開始

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このワンストップ型ETCの導入に向けて、モニターによる社会実験が本町山中有料道路料金所(神奈川県横須賀市)で2020年3月23日から5月21日まで実施されます。

社会実験を実施するのは、神奈川県道路公社、首都高速道路、アマノ、日立製作所、首都高ETCメンテナンス、三井住友トラストクラブです。

キャッシュレス決済時の料金所通過時間の計測やモニターアンケートからワンストップ型ETCの導入効果を検証します。

地方の道路公社などでは、ETCシステムの導入要望はあるものの導入コストの問題から実現が難しい状況となっています。

近年、ネットワーク型ETC技術を活用した安価なキャッシュレス決済の検討が駐車場などで行われており、これを有料道路でも活用できれば地方の有料道路でもETCの展開が見込まれることになります。

従来のETCシステムと比較した場合の初期コストは

日立製作所によると、本町山中有料道路クラスの場合、従来型のSTCシステムを導入しようとすると約10億円であるのに対して、ワンストップ型ETCの場合にはその4分の1程度ですみ、今後普及が進むとさらに安く導入可能となります。

本町山中有料道路を管理する神奈川県道路公社の料金収入は約21億円(2018年度)で、ワンストップ型ETCであれば十分手の届く話となります。

全国には同じような条件の有料道路は多く存在すると思われます。

 

後押しするキャッシュレス化

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政府がキャッシュレス化を進めるのには、QRコード決済を普及させたいという思惑よりも、法定通貨からクリプトカレンシー(暗号通貨:仮想通貨)への時代の転換という背景が大きいと思われます。

暗号通貨の法整備や市場整備は着々と進められており、そう遠くはない時期にビットコインなどの暗号通貨で決済する時代になる可能性があります。

そのころにはワンストップ型ETCを多くのドライバーが利用しているのかもしれません。

クルマも所有から利用の時代へ、そして自動運転と大きく変化していきますが、決済方法も大きく進化していくことになるでしょう。

 

まとめ

ワンストップ型ETCと聞いて、すべて一つのカードで完結するという意味かと思っていたら、料金所の前で一度停止して通過するという意味のワンストップでした。

現在もゲートの前では極力スピードを落としますので、ワンストップしたところでそれほど時間的に違いがあるわけではありません。

国内でのキャッシュレス化推進の流れの中で、ETCカードもネットワーク型ETC技術を活用するワンストップ型ETCが普及するのかどうか、実験結果が注目されます。

もちろん、カーシェアでもワンストップ型ETCの利用でさらに利便性の高いサービスが提供されるでしょう。

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