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スズキもカーシェアへ参入
100年に一度の大変革期を迎えているといわれる自動車業界、日本の軽自動車をけん引し、インドで圧倒的なシェアを持つ新車販売台数で世界のトップ10に入るスズキも、ついにカーシェアリングサービスに参入します。
トヨタと資本提携に踏み切ったスズキが変わる
2019年8月28日、スズキはトヨタとの資本提携に合意しました。
これで、トヨタはダイハツの完全子会社か、日野の連結子会社化、スバル・マツダとの資本提携に加えてスズキとの資本提携で、トヨタグループの日本車ブランドは6社となります。
100年に1度の大変革期と言われる自動車産業で、「自動車メーカーからモビリティカンパニーに変わる」と宣言したトヨタの戦略に、スズキも大きな協力先となることになりました。
トヨタが先行する電動化技術、スズキの強みである小型車技術、そしてスズキが圧倒的なシェアを有するインド市場での協業、さらにはその先に見据えるラストワンマイルでの小型車戦略や、未開の地であるアフリカ市場への進出など、両者には大きなメリットがあるのではともいわれています。
さらに、次世代モビリティ産業の核となると想定される「CASE」あるいは「MaaS」でも、両者は協業していくことになります。
そんな矢先に発表されたのが、スズキのカーシェアリングサービス「Patto」です。
スズキのカーシェア「Patto」とは
スズキは、株式会社スマートバリュー、丸紅とともに、2019年9月3日に締結したカーシェアリングサービスの実証実験に関する契約に基づき2020年2月22日より1年間、大阪府豊中市周辺エリアにおいて、カーシェア「Patto」のサービスを開始します。
軽自動車の雄、世界の新車販売台数でトップ10にも顔を出すスズキが提供するカーシェアリングサービス、トヨタシェア、日産e-シェアモビ、ホンダのEveryGoとはまた違ったスズキらしいカーシェアリングサービスが期待されます。
パッと乗れるPattoの3つの特徴とは
パッと乗れる地域密着サービス
スズキの提供するカーシェアリングサービスは、最初からタイムズカーシェア、カレコ、オリックスカーシェアなどの大手や、他の自動車メーカー系のカーシェアと競合しようというサービスではありません。
Pattoは、郊外住宅地にステーションを設置し、クルマにパッと乗れる環境をサービスとして提供します。
クルマのステーションを郊外住宅地にドミナントで設置し、「使いたい」時にすぐに使える環境を提供する生活者に寄り添ったサービスを提供します。
都心の駅前の時間貸し駐車場をステーションとする、従来型のカーシェアとはかなり異なる戦略となります。
カーシェア初!やさしい運転でお得に利用
利用者がどのくらいエコドライブしているかという評価(7項目)を行い、各項目から算出された運転スコアによって、スコアごとに利用料金およびパックプランの料金が変動します。従来型のカーシェアとは料金体系も大きく異なります。
この運転スコアには、スマートバリューが2008年から提供するテレマティクスサービスの技術が取り入れられています。
タイムズカーシェアなどにもこれに近いシステムはありますが、これを全面に出すという点では斬新的な料金体系となります。
スマホでクルマの予約から解錠・施錠まで
これは、今後のカーシェアではデフォルトとなりそうですが、専用のスマホアプリから予約、鍵の解錠・施錠を行います。
Pattoのサービス概要
pattoは、原則として初期費用、月額利用料、ガソリン代は無料となります。
ベーシックプラン:基本料金10~15円(税抜き)/1分(最低利用時間は15分~)
フラットプラン:定期的に利用したいといい人のために月額プランとして、カーシェア初のサブスクリプションサービスを9,800円(税抜き)/月 平日2時間まで利用可能(予約回数等の制限あり)
パックプラン:長時間パックサービスとして、6時間パック・24時間パック48時間パックを設定(24時間パック・48時間パックには距離料金あり)
Pattoで提供されるクルマには、幅広い層の人に安心して利用してもらえるように、全車両「衝突被害軽減ブレーキ」を搭載し、ドライブレコーダーも搭載するなど、安全性を重視したラインアップを行っています。
基本料金が10~15円となっているのは、エコドライブの運転スコアによって6段階評価され決まります。
同様に、6時間パックは3,000~3,600円、24時間パックは6,000~7,200円(距離料金あり)、48時間パックは10,000~12,000円(距離料金あり)となります。
カーシェア初となるサブスクリプションサービス
上記のフラットプラン:9,800円は業界初のサブスクリプションサービスとなります。
利用は平日のみで、定額利用可能時間は1日当たり2時間まで、予約可能な件数は2件、契約は1か月ごとの自動更新となっています。
土日、平日2時間以上の利用は別料金となりますが、平日に利用することが多い人には非常にお得なプランとなりそうです。
カーシェアヘビーユーザーにとっては、待望のカーシェアのサブスクリプションサービスというところです。
平日限定、しかも2時間までということになりますが、平日利用の場合って、ほとんど2時間以内だと思われますし、土日が利用できないのは本来のサブスクリプションとは言えませんが、今後の検討課題でしょうが、土日も含まれるさらに進化したサービスも今後登場するかもしれません。
トヨタ+スズキのサービスにも期待
スズキのカーシェアリングサービス「Patto」は、スズキ、スマートバリュー、丸紅の合同事業となり、資本提携先であるトヨタとの協業は見られません。
今後は、トヨタ+スズキの新しいカーシェアリングサービスも登場するかもしれませんね。
トヨタの得意な電動化、スズキの主戦場である小型化など、例えば、小型電動車が主力のカーシェア、日本ばかりではなく、将来的にはインド市場や未開の地アフリカでもそのようなサービスが見られるかもしれませんね。
まとめ
小型自動車では、世界ナンバー1といっても良いスズキが、カーシェア市場に参入します。
既存のカーシェア事業者とは異なる戦略で、スズキらしいサービスばかりではなく、新たに業界初となるカーシェアのサブスクリプションサービスも登場しています。
関西地区での地元密着型カーシェアサービスとして開始されますが、今後大きく発展していく可能性も十分ありそうです。
いやいや、どんどん新しいカーシェアリングサービスが登場してきますね!
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