いまさらながら、最近流行りのカーシェア事業といえば、“クルマを持たずに、自由に借りて乗る”ことを推進しているものだと当然のように思い込んでいたが、ある日カレコから届いたリリースを見て戸惑った。
「今ならクルマの購入もバックアップします！」
いったいどういうことなのだろうか。
クルマを手に入れてしまったら、カーシェアは“用無し”になってしまうのではないのか？ カレコ・カーシェアリングクラブが実施する「クルマ購入応援キャンペーン」の謎が気になって仕方ないので、担当者にお話を伺ってみることに。
先に、当リリースの概要「クルマ購入応援キャンペーン」を説明しよう。キャンペーンの対象者は、カレコ・カーシェアリングクラブの個人および法人会員。対象となるブランドは、メルセデス・ベンツ、スマート、ジャガー、ランドローバー、アルファ ロメオの輸入車を新車で購入したユーザーとなる。
実際にお目当てのクルマを成約した後は、カレコから10万円がプレゼントされるという仕掛けだ。10月消費増税直後とはいえ、500万円未満の車両であれば、増税分の元がとれるという計算も成り立つ。ちょうどこのタイミングで、検討していたというユーザーには、キャッシュバックはメリットが大きいはずだし、販売店から受けたサービスなどがあっても摘要されるようだ。
なによりも、新車登録したことを示す車検証のコピーをカレコへ送れば、手続きはすべて終了というシンプルさ。もちろん、商談に進んだものの購入に踏み切れなかったとしても問題はない。また、本キャンペーンの対象メーカー※であればカレコで通常借りることのできる車種かどうかも関係ないという。たとえばメルセデス・ベンツであれば、カレコはAクラスとCクラスを中心に都心部を中心に導入しているが、Eクラスを購入したとしてもこのキャンペーンの対象になるという。なんとも魅力的なキャンペーンではないか。購入予定があるのなら、ぜひカレコの会員になってオトクに愛車を手に入れたいものだ。（キャンペーン期間は2019年10月31日（木）まで。）
※アルファ ロメオでは、ステルヴィオのみが対象。
なお、2019年10月1日（火）には対象メーカーにボルボが加わっているが、クルマを成約するとボルボ純正安心オプションを10万円分プレゼントされることとなっており、他の対象メーカーと購入特典が異なる。
（ボルボのみキャンペーン期間は2019年12月25日（日）まで。）
しかし、そう思えば思うほど、カレコ・カーシェアリングクラブにはどんなメリットがあるのかと気になるものである。そういうわけで、運営を行っている三井不動産リアルティ シェアリング事業本部のシェアビジネス営業部 営業グループ 池田泰輝グループ長と、事業推進部 事業企画グループの栗林直美さんに説明していただいた。
「クルマ購入応援キャンペーン」を展開したのは、カレコ・カーシェアリングクラブの特徴に大きく関わっているという。それは「豊富なカーラインアップ」だ。確かに、ホームページでクルマをチェックすれば、輸入車を積極的に導入していることにも気がつく。
そもそもカレコでは、キャンペーン対象メーカーのほか、ジープも用意している。さらに、クルマのカテゴリーという視点でラインアップを眺めると、他のカーシェア事業主ではなかなかお目にかかれないようなSUVやスポーツカーも目に留まる。国産メーカーのラインアップも抜かりなく、大人気の新型スズキ・ジムニーやトヨタ・ハイラックス、ランドクルーザープラド、走りが評判のマツダ・ロードスターとホンダS660などなど。バラエティ豊かであると同時に、旬な注目モデルを借りることができるのである。
カレコ・カーシェアリングクラブは、若者を中心にクルマ離れが進む中、年齢を問わず「乗ったことがない、味わったことがない」という方々に、クルマの楽しさを体感してほしいと考えているという。そして、“お出掛け”が楽しくなるような魅力にあふれるクルマを導入するよう心がけているそうだ。それゆえ、“移動”だけでなく“試乗”もひとつの目的として利用されるケースも少なくないのだという。
ディーラーで営業マンと一緒に“チョイ乗り”をするよりも、時間をかけて“自分のペース”で魅力を確かめられるため、カレコ・カーシェアリングクラブに入会する・・・そんな賢い!? 使い方をする方々を取り込むアイデアのひとつが「クルマ購入応援キャンペーン」だったのである。
多種多彩な車種を用意しているから、自分のクルマを持っていても気になるクルマを“楽しみ”のために試乗や利用するなどの使い方もありそうだ。便利なだけでなく、色々なシーンで楽しめる人気車種を取り揃え、生活に彩りを加えるようなカーシェアリングをカレコが目指しているからこそ、双方にメリットがあるキャンペーンなのだと、話を聞いて腑に落ちたのである。（DRIVE go SEARCH編集部）