この記事の目次
渋滞は万国共通なのか
高度成長期の時代には、東京の渋滞も世界トップレベルのものであったと思われますが、首都高や新東名、各種環状線などなどインフラが整い、多くのドライバーなどの渋滞回避の努力が実り、最近では以前と比べると、渋滞しやすい道路や時間帯を避けるなどすると渋滞を避けられるようにはなっています。
日本の場合には、すでに経済も成熟期を迎えており、史上まれといわれるような少子高齢化社会、また若者のクルマ離れなど、高度成長期とは社会が大きく変わっています。また、JRや地下鉄などの公共交通インフラも充実していますので、東京一極集中で人口密度は高いものの、渋滞は以前に比べると緩和されているのでしょう。
世界は、日本や欧米諸国のような先進国といわれる国々から、現在まさに高度成長しようとしている国々など事情が異なる都市が多く存在しています。さて、現在世界で持っても渋滞の激しい都市はどこなのでしょうか?
ここでは、iOSのマップアプリなどに地図データを提供しているTom Tom Internasionalが、世界各都市の交通渋滞状況を報告する「トムトム・トラフィック・インデックス」から見てみます。
トムトム・トラフィック・インデックスとは
トムトム・トラフィック・インデックスとは、世界56か国403都市における交通状況を報告する指標で、交通渋滞で余分に要した運転時間(%)を「渋滞レベル」で表しランキング化したもので、ドライバーや都市計画関係者、自動車メーカーや政策立案者に向けて、渋滞に関する客観的な統計資料として提供されています。
このインデックスが目指すのは、世界中の交通渋滞について把握し、解消することに寄与することです。それが結果的に、世界中のモビリティをより安全・安心にすることにつながり、最終的には大気汚染問題を解消させ、世界の人々の生活水準を高めることに貢献することになります。
そのためTom Tom Internasionalは、世界各都市でリアルタイムの交通情報をカーナビなどで配信しており、欧州のナビゲーションシステムの約80%以上が同社のライブ情報を利用しています。
このような交通情報を集計し(データ化)、1年ごとに各国の渋滞状況をランキングしたのが「トムトム・トラフィック・インデックス」となります。
世界渋滞ランキングの1位となったのはインドのムンバイ
ランキング1位は、おそらくアジアの都市、それの東南アジアもしくは中国あたりの都市が来るのではと考えましたが、何とインドのムンバイでした。
ムンバイ(旧ボンベイ)はインドの西海岸にある人口密度の高い都市で、金融センターとしても知られるインド最大の都市です。ムンバイ港のウォーター フロントには、イギリス領インド帝国時代を象徴する 1924 年建造のインド門が立っています。沖合にあるエレファンタ島には、ヒンドゥー教のシヴァ神を祀る古代の石窟寺院があります。ムンバイはまた、ボリウッド映画産業の中心地としても有名です。
ムンバイは、2011年調査で人口が1840万人となっており、人口密度の高い大都市で、ムンバイのドライバーは渋滞のために平均65%多くの時間を運転に要したことになります。尚、インドでは4位にもニューデリーも入っています。
ランキング2位にはコロンビアの首都ボゴタ
ランキング2位となったのは、南米のコロンビアの首都ボゴタで、ボゴタのドライバーは渋滞のために平均63%多くの運転時間を要したことになります。
ランキング3位には、同じく南米ペルーのリマが、4位には前述のニューデリー、5位にはロシアのモスクワが続いており、これらが世界の5大渋滞都市となりました
渋滞というと、東京、上海、パリ、ニューヨークなどの大都市という意明示がありますが、世界中でクルマが利用されるようになっている昨今では、地下鉄や鉄道などの他の公共交通機関などが充実しているか、あるいは、道路などのインフラが整備されているか、また、国として渋滞対策をどのレベルで実施ているのか、などの要因も大きく影響しているようです。
渋滞が大きく緩和された事例はあるのか
トムトム・トラフィック・インデックスでは、2018年にインドネシアの首都であるジャカルタの渋滞指数が前年の61%から53%へと8%下落していますが、これほど大きく下がるという事例は珍しいことです。
小都市ならいざ知らず、ジャカルタは人口958万人(2010年)の大都市ですから8%渋滞緩和させるというのは並大抵ではないでしょう。この背景には、ジャカルタ市によって行われた渋滞解消のための取り組みがあります。ジャカルタ市では、偶数ナンバーしか走れない日と奇数ナンバーしか走れない日を決めました。また、併せて地下鉄も開通しましたので、渋滞レベルが大きく下がったと考えられています。
日本の渋滞は
それでは、トムトム・トラフィック・インデックスでは日本の都市はどうなっているのでしょうか?
日本の都市で対象となっているのは、東京の他、札幌、名古屋、大阪、神戸となっています。ランキングでは東京が渋滞レベル41%で25位、大阪が46位(36%)、名古屋が71位(32%)、札幌が111位(30%)、神戸が139位(27%)となっています。
ちなみに、東京の場合には、高速道路と一般道路合わせて総距離約20億kmにもおよぶデータで調べられており、高速道路の平均渋滞レベルの平均が37%、一般道の平均が46%となっています。また、2018年で最も渋滞レベルが低かったのは12月31日で15%、逆に最も大きかったのは1月24日の78%となっています。
2018年の1月24日に東京で何が起こったのか調べてみたら、22日に大雪が降っていますのでその影響でしょうか?
また、1週間の時間帯別の渋滞レベルでは、東京の朝の渋滞レベルのピークは64%、夜のピークは63%となっており、朝のピーク時の場合には通常なら(空いていれば)30分で行けるところが49分かかってしまうという計算になります。ピーク時には、ムンバイやボゴタ並みの渋滞が味わえることになりますね。
東京の渋滞レベル25位というのは、順位としてはロスアンゼルスとほぼ同じで、東京の場合には前述のように公共交通機関の存在が渋滞緩和に大きく役立っていると思われます。また、来年には東京オリンピックが開催されますので、今年とは違う数字が出てくる可能性もありそうです。
まとめ
最近は、直前の事故渋滞は仕方がないとしても、それ以外であれば、ナビを利用したり、道路を考えたり、通行時間を考えることで渋滞を避けることはできるようになっていますが、このような状態になった大きな要因に、クルマだけではなく他の交通機関の存在があるようです。
ちなみに、ニューヨークの渋滞レベルは36%、ロンドンが37%となっており、東京にもまだまだ改善の余地は残されているようです。
カーシェアでドライブをする場合にも、渋滞には十分気を付けて利用したいもので、間違っても渋滞で返却時間に間に合わなかったということがないようにしておきたいものです。渋滞を避けるのは当然ですが、予約時間を長くとっておくというのも一つの方法ですよね。
そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!