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国内初の「あんぜん走行距離送信サービス」とは
カーシェアリングサービス最大手のタイムズカープラスは、国内初となる「あんぜん走行距離送信データサービス」を実施するにあたり、2018年10月1日から2018年12月31日まで対象期間中に、「あんぜん走行距離データ送信サービス」のご利用内容に同意いただくと30プラスポイント(pp)プレゼントキャンペーンを実施していました。
タイムズカープラスユーザーの皆さんは、突如としては連絡のあったこのキャンペーンに「何なのよ」と感じた方もいらっしゃるでしょうが、説明を読むと、どうやらカーシェアリングからクルマ購入に移行する際の保険割引サービスであることが分かります。
簡単に説明すると、今回タイムズカープラスが提供するのは、タイムズカープラスユーザーが安全に運転していると、安全に運転していた走行距離に応じて、マイカー購入の際の自動車保険料が割引されるというサービスです。
カーシェアサービス退会の最多理由「クルマの購入」
ここ数年で加入者数を130万人以上に拡大させ急成長するカーシェアリングサービスですが、加入者数増大に比例して退会者も数は少ないながら増えてきています。
退会の理由として多いのは、「クルマの購入」、「クルマを利用しなくなった」、「近くのカーステーションが閉鎖された」などが多いようですが、今回の「あんぜん走行距離データ送信サービス」とは、「クルマの購入」を理由として退会する人にとって役立つサービスとなります。
カーシェアリングからクルマの購入に移行する人というのは、近年のモビリティライフの変化から考えるとそれほど多くはないようにも思えるのですが、どのような事例が考えられるのでしょうか。
例えば、首都圏でカーシェアリングを利用しているユーザーの場合には、こんなに便利の良いサービスは珍しいということになるのですが、カーシェアって、実は地方に行くと首都圏ほどはさほど普及していません。
都心部で生活していると、徒歩圏内に数か所のカーステーションが設置してあるということは多いでしょうが、地方に行くと、県内に10か所前後というところも多くあるのです。
ケースとして多いと考えられるのは、首都圏から地方に転勤になった場合などで、地方ではクルマなしの生活は非常に不便になることも多く、そのようなケースでは、カーシェアを退会してクルマの購入を検討することになります。
カーシェアを利用していても自動車保険料は割引にならなかった!
便利なカーシェアリングを利用していても、クルマを購入することになった場合には、原則として、自動車保険は新規契約することになります。(以前契約していた自動車保険の休会中の場合は除く)
つまり、マイカー所有者の場合には、加入している自動車保険が安全運転することで割引サービスを受けることができますが、これまで、カーシェアリング利用者は、いくら安全運転を継続していても自動車保険では割引サービスを受けられることはありませんでした。
これについては、多くのカーシェアユーザーが致し方ないと思っていたことですが、せっかく継続して安全運転をしていたユーザーが、自動車保険加入時にもマイカー所有者のような割引サービスが受けられるようになるという第1歩のサービスといえるでしょう。
タイムズカープラスの「あんぜん走行距離データ送信サービス」
あんぜん走行距離データ送信サービスの仕組みを簡単に説明すると以下のようになります。
- カーシェアを利用して運転する
- 安全に運転した距離が貯まっていく
- カーシェア退会し、クルマ購入の際に保険料がお得に
対象者となるのは、タイムズカープラス会員でクルマを購入し新規に自動車保険に加入する方となります。割引が提供されるのは、2018年11月時点ではあいおいニッセイ同和損害保険会社(※)となります。
※ あいおいニッセイ同和損害保険会社:国内第2位のMS&ADホールディングス傘下の損害保険会社で、単体でも業界4位の大手損保です。2010年にあいおい損害保険(大東京火災海上と千代田火災海上の合併会社)とニッセイ同和損害(同和火災海上とニッセイ損害保険の合併会社)が合併して誕生しました。
あんぜん走行距離と割引のイメージ
始まったばかりのサービスで、実際に利用されるのはこれからとなるでしょうが、継続して安全に走行した場合の割引のイメージは以下のようになります。
あんぜん走行距離 | 自動車保険割引率 |
500~1,000km未満 | 最大8%割引 |
1,000km~2,000km未満 | 最大15%割引 |
2,000km以上 | 最大20%割引 |
前述のように、カーシェアユーザーは利便性の高いカーシェアサービスですから、クルマ購入の際の自動車保険料の割引についてはあきらめていましたが、このようなサービスが普及することで今後は割引も期待できるようになっていきます。
また、これでカーシェアを頻繁に利用する場合に安全運転を心がける動機となることにも繋がる可能性もあり、安全運転していてメリットがあるなら頑張って継続しようという気持ちにもなります。
例えば、カーシェア利用中に「煽り運転」などの危険な行為を受けた場合にも、このような動機があるケースでは、「煽り運転」する危険なドライバーを徹底的に無視し相手にしないという態度がとりやすくもなるでしょう。
タイムズカープラスにもある大きなメリット
ユーザーのメリットばかりが強調されますが、このサービスは提供者側でもあるタイムズカープラスにも大きなメリットがあります。
まず、ユーザーが継続して安全運転することで何といっても事故減少に繋がりますし、クルマの寿命も長くなることに繋がり、タイムズカープラスのコスト削減には間違いなく貢献することになります。
また、最近では、あまりの利便性の高さから、マイカー所有車にも利用されるケースがあり、クルマ購入後にも継続して利用されるケースがあるでしょうし、一時的に地方に行って、都心に戻ってきた際にはまた利用してもらえる可能性が高くなるでしょう。
様々な事情により、一定のユーザーが退会するのは不可避ですが、再入会するユーザーも多く、その場合にまたカーシェア事業者として選択される可能性は高いでしょうね。
モビリティライフの大変革に対応した自動車保険
今回、タイムズカープラスとあいおいニッセイ同和損保から提供される「あんぜん走行データ距離送信サービス」は、ユーザーにとっても事業者にとってもメリットの大きいサービスと思われますが、それだけでもありません。
クルマは「所有する」時代から、「利用して楽しむ」時代へと大きく変化していこうとしています。さらに、「若者のクルマ離れ」、「完全自動運転車時代の到来」など、あらたなモビリティライフに向けた、新しい保険の形の一つともいえそうですね。
まとめ
カーシェア最大手のタイムズカープラスと大手損保のあいおいニッセイ同和損害保険会社から提供される「あんぜん走行距離データ送信サービス」は、ユーザーにとっても提供側にとっても何かとメリットの多いサービスです。
今後も次世代のモビリティライフに対応するような新しい自動車保険が次々に開発されそうです。そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!