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地味だが凄い自動車メーカー「スバル」は何故強い!その利益率は高級スポーツ車メーカーのポルシェに匹敵

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100年に1度の大変革期だからこそ重要な利益率

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100何に1度の大変革期を迎えているといわれる自動車メーカー、新車販売台数ばかりに目が行きがちですが、自動車メーカーの経営にとってもう一つ忘れてはならないものが利益率です。

この大波を乗り越えて、モビリティカンパニーとして成長を続けるためには「儲かっている自動車メーカー」である必要があります。

日本経済は、長いこと自動車メーカーがその中心となって成長してきました。現在でも、自動車メーカーとその周辺産業が日本経済をけん引している状況は続いています。

規制緩和と自由化で大躍進した金融業界は、バブルの崩壊で瀕死の状況となりましたし、現在好調のモバイル業界は国内市場が相手となります。

つまり、日本経済がこれからも成長していくためには、モビリティ産業が大きなポイントとなっており、そのためにも自動車メーカーの利益率は大変重要な指標となります。

利益率とは、

利益率=利益÷売上高×100

で求められます。

利益(営業利益)=粗利(売上総利益)-費用(販売費および一般管理費)

ですから、企業の本当の実力が見える数字であり、自動車メーカーにとっては1台あたりの利益率が高ければ高いほど少ない販売台数でも強い自動車メーカーとなります。

 

世界の販売台数ビック3とは

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読売新聞によると、2019年上半期(1~6月)の世界の自動車販売台数の上位3社は以下のようになりました。

1位:VW(フォルクスワーゲン)グループ 536万5300台

2位:トヨタ               531万1806台

3位:日産ルノー、三菱3社連合      521万3673台

 

昨年(2018年)の上半期では、3社連合が1位だったのですが、前年上半期比-5.9%となり3位転落です。これには、販売台数の半分以上を占める日産自動車のカルロス・ゴーン元社長の逮捕などが大きく影響したと思われます。

 

国内メーカー利益率トップはどこ?

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国内自動車メーカーで利益率が高いのはどのメーカーなのでしょう?

結論からいうと、国内自動車メーカーでトップの利益率を誇るのはスバルです。

スバルというとマニアックでコアなクルマづくりのイメージがあります。実際に、インプレッサの開発時にはコストを度外視した贅沢なクルマづくりをしたことでも有名です。

ところが、実際のスバルとは日本の自動車メーカーの中では、その利益率は抜きんでいる高さを誇っているのです。つまり、非常に効率よくクルマをつくり、販売しているということになります。

スバルの利益率は、2017年の完成検査不正問題の時期を除くと裕に10%を超えています。この数値は、世界的にも高級スポーツ車メーカーとして知られるポルシェに匹敵するような数字なのです。

 

急回復するスバル

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2何前の2017年、日産自動車、スズキなどとともに完成検査不正という大問題を引き起こしたことは記憶に新しいところですが、巨額のリコール費用の発生で利益率も大きく落ち込みますが、2019年中間連決決算では早くも大きく回復してきています。

不正問題が発生するまでは余裕で10%超であった利益率は、ピーク時(2016年3月期の17.5%)の約3分の1の5.9%まで低下しますが、2020年3月期には6.6%とまで回復すると予想されています。

6.6%では回復とは言えないのではという声も聞こえてきそうですが、国内主要自動車メーカーの中では、上半期の売上高・純利益が過去最高を記録したトヨタ自動車の8.1%(2020年3月期予想)に次ぐ数字となります。

ちなきに、同時期での各自動車メーカーの予想値は、スズキ5.7%、ホンダ4.6%、マツダ1.7%、混乱続きの3社連合の日産は1.4%、三菱自動車は1.2%という状況なのです。

並べられたこれらの数字だけ見ても、スバルの利益率の高さが分かりますが、実はさらに驚きの事実がありました。

 

利益率は10%を超える予定だった

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2017年の不祥事による利益率の悪化から急回復するスバルですが、実は今期も大規模なリコールが発生しています。技術的な問題からのものではありませんでしたが、回復を急ぎすぎたせいか、品質管理の体制整備が追い付かずにリコール費用として650億円が発生することになりました。

これがなければ、営業利益は1500億円ほどになっていたと予測され、そうするとトヨタを1期で抜いて再び利益率は10%越えしていたことになっていたのです。

前述のように、世界的には高級スポーツ車メーカーのポルシェの利益率が有名ですが、ポルシェの利益率は2017年度17.6%、2018年度が16.6%となっており、スバルの利益率はリコールさえなければ世界1になっていた可能性は高いのです。

 

スバルの利益率が高い理由とは

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スバルの利益率が高い理由としては、以下の3つのポイントを指摘されています。

1.軽自動車からの撤退

第1の理由としては、中大型車にターゲットを絞っているということが挙げられます。同じく利益率の高いポルシェも高級スポーツ車にターゲットを絞っています。

スバルが独自開発しているクルマの中では、インプレッサG4スポーツが属するCセグメントが一番下のカテゴリーとなりますが、これは世界的に見て珍しいケースといえます。

元々、スバルというと「スバル360」という軽自動車で大きく飛躍していますが、大株主がGMからトヨタに移動した2005年に、軽自動車から撤退しています。

当時は残念がる声のほうが大きかったのですが、結果的には、この軽自動車撤退から利益率の高いCセグメント以上の自動車メーカーとなったことで、スバルの高収益体質は出来上がったと思われます。

2.ワンプラットフォーム

Cセグメント以上のクルマに特化することで高収益体質となったのは理解でいますが、それだけでポルシェ並みの利益率を出すことはできません。

もう一つのスバルの強みと言われるのが、クルマの生産手法としてのワンプラットフォーム化です。

自動車メーカーとしては、世界的には零細の部類に入るスバルは、VWのように大量に生産して薄利多売で利益を積み上げることはできません。

そこで確立されたのが、スバルの伝統芸ともいわれるワンプラットフォーム化であり、スバルでは北米向けの大型SUVからインプレッサなどの小さなクルマまで、1つのプラットフォーム作ることができるのです。

3.米国市場での強み

国産自動車メーカーで、日本でもそこそこ見かけるスバル車ですが、実は、スバルの収益基盤は米国市場であり、日本市場はおまけに近いような存在なのです。

2013年42万台(この数字もすごい)であったスバルの米国での販売実績は、2018年には68万台まで伸びています。

200年代後半にディーラーチェンジしたのをきっかけに、悪路や雪道に強く、耐久性が高いスバル車は米国市場で売れまくることになったのです。

 

まとめ

100年に1度といわれるような自動車産業の大変革期を迎えて、利益率の高い自動車メーカーとは言え、世界の自動車メーカーとしては零細の部類に入るスバルも選択の判断を迫られることになります。

スバルが選んだのは、先進技術を豊富に有するトヨタとの提携です。

スバルが単独でカーシェア市場に参入することはないでしょうが、「TOYOTA SHARE」として今後登場してくるのかもしれません。

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