カーシェアリング

拡大しつつある運転補助システムがもたらすこと

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各自動車メーカーがしのぎを削る技術の進化によって、自動追従に自動ブレーキ、さらには自動運転と、ここ数年でいわゆる運転補助システムが非常に充実してきました。もちろん、ステアリングを握る人=ドライバーがいなければクルマを走らせることはできませんが、運転に関するすべての判断、操作がドライバーに委ねられている運転補助システム非搭載車に比べると、運転補助システムはいざという時の危険回避を含めて、強力にドライバーをアシストしてくれます

たとえば、自動追従は前走車との車間距離を一定に保ちながら交通の流れに合わせた速度を保ってくれるので、高速道路を使って長距離移動する時などは重宝します。また、自動ブレーキは前走車との車間距離が詰まった時、あるいは自転車や歩行者が不意に飛び出してきた時などにクルマが判断し、衝突を避けるためにブレーキをかけてくれます。スイッチを押すだけで駐車スペースにクルマを停めてくれるのも、運転補助システムのひとつと言えるでしょう。

それらを統合したものが自動運転であり、走行している車線から逸脱しないよう、ステアリング操作までしてくれるのが最先端の運転補助システムになります。ちなみに現在、自動運転のレベルは以下の5段階に分けられています。

レベル1:運転支援/ドライバー主体、前後(アクセル・ブレーキ)、左右(ステアリング操作)いずれかの一部操作
レベル2:部分運転自動化/ドライバー主体、前後、左右の両方とも一部操作
レベル3:条件付運転自動化/システム主体、限定条件下ですべての運転操作(場合によってドライバーの操作も必要)
レベル4:高度運転自動化/システム主体、限定条件下ですべての運転操作(ドライバーの操作は不要)
レベル5:完全運転自動化/システムがすべての運転操作(ドライバーの操作は不要)

参考:自動運転の実用化は想像より早い! 2020年に期待

今の時点における運転支援システムはレベル2にありますが、日本では2020年までに官民一体で自動運転の開発を進めていて、2025年にはレベル4の完全自動運転を目指しています

レベルが上がるほど、運転に必要なドライバーのウエイトは軽減されることになり、それが結果として運転そのもののハードルを下げることにもつながります。自動運転はもはや夢物語ではなく、近い将来、実現することは間違いありません。

各メーカーの運転補助システムをチェックしてみる

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自動車メーカー各社が開発に力を入れる運転補助システムですが、ここではメーカーごとに見ていきたいと思います。

まずトヨタですが、「トヨタ・セーフティ・センスP」を展開しています。これはミリ波レーダーと単眼カメラを併用した高精度な検知センサーを搭載し、約50~100km/hで車間距離を保ちながら追従走行するレーダークルーズコントロールや、意図しない車線逸脱の危険をブザーとディスプレイ表示でドライバーに伝え、電動パワーステアリングも制御するレーンディパーチャーアラートに加え、歩行者までを検知して衝突回避を支援するシステムです。

参考:先進の歩行者検知機能を搭載した衝突回避支援パッケージ

日産は、“人間には死角がある”という前提に立ち、360度=全方位の安全を目指しています。具体的には、前走車との距離や相対速度を検知して車間維持操作を支援するディスタンスコントロールアシスト、車載カメラが道路上の白線を検知して逸脱しそうになると、表示と音でドライバーに注意を促すと同時に4輪個々にブレーキをかけて車線に留まらせようとするレーンデパーチャープリベンション、システムが追突の可能性があると判断すると自動的に制動を開始する衝突回避支援コンセプト、車両の前後左右に装着された4つの180度超広角高解像度カメラの映像を合成し、路面の駐車枠と自車の位置関係をモニターに表示するアラウンドビューモニターなどがあります。

参考:全方位運転支援システム

ホンダが展開するのは、安全運転支援システムHonda SENSINGです。ミリ波レーダーと単眼カメラで前走車や歩行者を検知し、衝突の恐れがある場合は音と表示で警告。さらに接近した場合は軽いブレーキングを、衝突の恐れが高まった場合は強いブレーキングを行なって衝突回避、被害軽減を支援する衝突軽減ブレーキ(CMBS)、停車時や10km/h以下での低速走行時に前方の障害物を検知して、アクセルペダルを踏み込んだ際の急加速を抑える誤発進抑制機能、路側帯を歩く歩行者との衝突回避のための支援を行う歩行者事故低減ステアリング、車線からのはみ出しを防いで車線謝意へ戻すように支援する路外逸脱抑制機能などがあります。その他、前走車との車間距離を保ちながら低速走行するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)、車線の中央付近を走るようにステアリング操作を支援する車線遺児支援システム(LKAS)、見落としがないよう道路標識をメーター内に表示する標識認識機能なども搭載されています。

参考:安全運転支援システム Honda SENSING

危険な状況に陥ってから対処するのではなく、危険事態を回避するというコンセプトを掲げるのがマツダです。車線逸脱警報システムやブレーキを自動制御するアドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート、前進時のAT誤発進抑制制御、車線変更時に隣の車線の側方と後方から接近する車両を検知してインジケーターの点滅と警報音で警告するブラインド・スポット・モニタリングなどを搭載。コンパクトカーからハイエンドモデルまで、全グレードに標準装備されているのが特徴といえます。また、最新のシステムとして、状況に応じて複数に分割したLEDを個別に自動点灯/消灯するアダプティブ・LED・ヘッドライトもあります。

参考:マツダの先進安全技術 i-ACTIVESENSE

運転支援システムのセンサーはミリ波レーダーと単眼カメラの併用が主流になっていますが、独自の路線を進むのがスバルアイサイト。国産車メーカーでは唯一、左右2つのカメラで立体的に状況を把握し、運転支援に役立てています。ツーリングアシストは0~約120km/hという幅広い速度域でアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動でアシスト。追従機能付きクルーズコントロールに車線中央維持、前走車追従操舵などが搭載されています。

参考:アイサイトとは?

カーシェアリング各社に見る運転補助システム搭載車の導入状況

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新型車に続々と搭載されている運転支援システムですが、カーシェアリングでもそれらの車種は利用可能です。

まずタイムズカープラスでは、利用料金が15分206円のベーシッククラスでプリウス、デミオ、フィット、スイフトなどがあり、15分412円のプレミアムクラスではリーフ、CX-5、スバルXVなどがラインナップされています。

参考:タイムズカープラス車種

続いてオリックスカーシェアですが、スタンダードクラス(15分200円)を見るとスイフト、フィット/フィットハイブリッド、デミオがあり、デラックスクラス(15分300円)ではエクストレイル、ステップワゴン、セレナハイブリッドなどSUV、ミニバンが選択肢に入ってきます。また、EVクラス(15分200円)にはリーフも用意されています。

参考:オリックスカーシェアでは、様々なニーズに合わせた多彩な車種をご用意

ホンダがスタートしたHonda EveryGoは、8時間まで3780円(+以降15分毎に75円)の軽自動車クラスにN-BOX/N-BOXカスタムが、4780円(+同)のコンパクトクラスにフィットハイブリッドが、5780円(+同)のミニバン・SUVクラスではフリードハイブリッドとヴェゼルハイブリッドの利用が可能になっています。

参考:Honda EveryGo料金・車種

カレコカーシェアリングクラブでは、コンパクト(10分130円)、ミドル(10分150円)、プレミアム(10分240円)の3つのクラスで運転支援システム搭載車を選ぶことができます。コンパクトクラスではスイフト、ヴィッツ、タンク、フィット、ミドルクラスではCH-R、スバルXVハイブリッド、エクストレイル、CX-5、エスクァイア、フリード、レヴォーグ、プリウス、アクセラ、リーフと幅広く用意。プレミアムクラスではレクサスCT/NX/ISなどを利用できます。

参考:利用シーンに合わせて選べるカレコのカーシェアリング

ただし、上記の車種は必ずしもすべてのステーションに揃っているわけではないので、お目当ての車種がある人は事前に各社のウェブサイトで確認してほしいと思います。

運転の負担が減れば、クルマ移動を選ぶ人も増える!?

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クルマと公共交通機関の最も大きな違いは、自分が運転するか、それとも乗っているだけでいいかという点にあります。クルマで移動するメリットはたくさんある反面、目的地までの距離が長かったり、途中で渋滞に巻き込まれたりすると、スムーズに走った時に比べて疲労感は何倍にもなります。また、交通事情によっては時間が読めないといったことも十分に考えられます。

そういったことを避けるために公共交通機関を使う人も多いと思いますが、もし運転支援システムが搭載されているクルマで移動するとしたらどうでしょう。高速道路ではアクセル&ブレーキ操作から解放され、ステアリングに軽く手を添えていればいいですし、渋滞に遭遇したとしても前走車との車間距離を保ちながらゆっくりと進んでくれます。

クルマにすべてを任せる完全な自動運転でなくても、ドライバーの負担が大幅に軽減されるのは間違いありません。目的地に着いた時、疲れてぐったりしているのと、遊びやレジャーを満喫できるのとでは、まさに雲泥の差です。つまり、運転支援システムは、これまで「運転で疲れるからクルマでの移動はちょっと…」と思っていた人の考え方を大きく変える可能性があるということです。

運転の負担が減れば、むしろ自分たちだけの空間で移動できるクルマならではのメリットがより際立ってくるわけで、これまで敬遠していた人たちも積極的にクルマ移動を選ぶ大きなきっかけになるのではないでしょうか。そういう意味で、運転支援システムはいわゆる“クルマ離れ”に歯止めをかけ、クルマに興味を持ってもらうひとつの起爆剤と見ることができます。「運転がクルマ任せになったら楽しくない」という意見も耳にしますが、これまでとは違った新しいクルマの価値感を運転支援システムが提案してくれるのも、また事実だと思います。

それを試すには、気軽に乗れるカーシェアリングがまさに打ってつけです。軽自動車やコンパクトカーからミニバン、SUVに至るまで、幅広い車種が用意されているのは上で述べた通り。近所への買い物や長距離ドライブなど、それぞれのシチュエーションで運転支援システムを体感すれば、クルマに対する意識が変わることは間違いないと思います。

 

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