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新しいホテルの形態?トラベリングホテルとは
増え続ける海外からの訪日観光客や来年に東京オリンピック・パラリンピックを控えて、首都圏ではホテルなどの宿泊所不足が深刻な問題となっており、民泊ブーム、カプセルホテルは言うに及ばず、カーシェアをホテル代わりに利用する人もいる程です。
そんな中、新たなホテルの形態?として登場したのがトラベリングホテルです。
トラベリングホテルとは、来るべきMaaS時代、会社や自宅、会議室や宿泊施設といった「不動産」は「「動産」となり、いつでもどこにでも旅することができるようになるというコンセプトのホテルです。
未使用時は、レンタルキャンピングカーとして動産活用する事業であることから「トラベリングホテル」と名付けられました。
まだスタートしたばかりのトラベリングホテルですが、今後普及していくことができるのか注目されます。
MaaSとは
MaaSとは、Mobility as aServiceの略で、日本語では「サービスとしての移動」となり、私たちの移動を最適化するために様々な移動手段を活用し、ユーザーの利便性を高めるものです。
動画は、MaaS先進国ともいえる北欧フィンランドの交通通信省によるアニメーションで、バス・電車・レンタカー・タクシー・レンタサイクル・飛行機などあらゆる交通手段がニーズに合わせてパッケージ化されて定額で提供されるサービスとなっています。
日本でも、タイムズカーシェア、カレコ、オリックスカーシェアなどが提供するカーシェアリングサービスが急成長していますが、これもMaaSの一つであり、ライドシェア、レンタサイクルなどもその一つです。
MaaSは、私たちはクルマを所有することから解放し、クルマを所有するものから、利用して楽しむものへと変化させます。
トラベリングホテルはキャンピングカーとどこが違うの?
トラベリングホテルとは、どうやらキャンピングカーを利用するようですが、キャンピングカーを所有するのとどこが違うのでしょうか?
キャンピングカー購入者(所有者)は、年間で25日程度しか利用していないという調査結果があり、残りの約340日程度は遊休状態にあると推定されています。高額な購入費用の割には、コスト的に有効利用されていないということになります。
また、キャンピングカーの場合には、駐車場確保や料金、あるいは、メンテナンス費用などの維持コストも大きな負担となっています。都心住まいのサラリーマンがキャンピングカーを所有することは非常に難しい状況と言わざるを得ないでしょう。
そこで、トラベリングホテルとなるわけですが、普段遊休状態となっている340日間を利用して、トラベリングホテル事業者にレンタルキャンピングカーとして運用代行してもらい、駐車場料金もメンテナンスコストは無料、レンタルキャンピングカーとしての利益の一部をキャッシュバックしてもらうというシステムになります。
つまり、キャンピングカー所有者との違いとは、未使用時のキャンピングカーを有効利用するのかしないのかということになります。
キャンピングカーの賃貸経営
新しいホテルの形態として注目されるトラベリングホテルを運営するのは、不動産価値向上ビジネスなどを手掛ける事業者で、キャンピングカーに手を加えることで価値を向上させ(すでに十分な価値がある場合は除く)、レンタルキャンピングカーとして収益をあげることを目指します。
これまで、高額なコストがかかるためキャンピングカーオーナーになることは、サラリーマンにとってはなかなか難しいところでしたが、維持コストが抑えられ、毎月の収益が期待されることで、キャンピングカーを所有することができるかもしれませんし、既存のキャンピングカーオーナーにとっては、維持コストを大きく下げられるようになるかもしれません。
考え方としては、ワンルームマンションやアパート経営に似ているのかもしれませんが、例えば、中古の不動産を購入してイノベーションを行い、不動産会社に賃貸経営を任せるというところでしょうか。
もちろん、レンタルキャンピングカーの場合には、年に24回前後は少なくとも利用することができます。
サービス内容の詳細は今後発表されるようですので、注目していきたいところです。
キャンピングカーの個人間カーシェアとの違いは
トラベリングホテルと似ている形態としては、個人間カーシェアがあります。キャンピングカー所有者の中には、すでに個人間カーシェアを利用している人も多いのかもしれません。
前述のように、キャンピングカーは趣味的な要素が強く、年間平均では340日ほどは遊休状態となっているため、個人間カーシェアも遊休状態の有効利用という点では、オーナーにとっては維持コストを下げるのに大変役立ちます。
ただし、個人間カーシェアの場合には、あくまで駐車場代金は発生しますし、メンテナンス費用もかかります。つまり、個人が所有するということは、趣味とは言え高額なコストが発生することになります。
この点、トラベリングホテルでは、駐車場代金やメンテナンスコストが発生しないということになっていますので、額面通りに受け取ればトラベリングホテルとして運営するほうがお得感は十分にあります。
カレコでも提供されているキャンピングカー
キャンピングカー所有者としては、従来の個人間カーシェアの利用とトラベリングホテルとの収益性などを見極めたいところでしょうが、ユーザーの立場から見るとどうでしょう。
実は、カーシェアリングサービスのカレコでもキャンピングカーが提供されています。ただし、通常のカーシェアのようにどこでも利用できるわけではなく、東京都新宿区にあるカーステーションまで出向く必要はあります。
カレコのキャンピングカーの利用料金は、6時間パックが14,400円、12時間パックが19,700円、24時間パックが24,000円となっており、以降は24時間追加パックが16,900円で利用できます。(通常のカーシェアサービスとは異なり、ガソリンの満タン返しが必要となります。)
ちなみに、Anycaには現在(2019年10月時点)19台のキャンピングカーが登録されています。
トラベリングホテルの価格が分かりませんが、レンタカーやカーシェアとの差別化、あるいは、価格などが気になるところです。
まとめ
新しいホテル形態として登場したトラベリングホテルですが、キャンピングカーをイノベーションして、レンタルキャンピングカーとして収益性を求めることで、従来の高額な維持コストを抑えようとするビジネスモデルのようです。
今後詳細が明らかになってくると思われますが、キャンピングカー所有者としては、個人間カーシェアとの違いが気になるところですし、ユーザー側としても、レンタカーやカーシェアとの違いが気になるところです。
MaaSから誕生したトラベリングホテルですが、今後もカーシェアのような新たなビジネスがどんどん誕生してきそうです。
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