新たなモビリティライフではクルマとは所有しないものに！

今は昔、高度成長時代から日本の経済成長時代の総仕上げとなったバブル期には、多くの世帯では1～2台のマイカーを所有することがステータスとなっていました。それだけクルマは生活に密着していましたし、インターネット時代はまだ到来していない頃のお話です。

しかしながら、バブル期には首都圏などでは不動産価格の高騰が顕著となり、駐車場代も大暴騰していくことになり、クルマを所有するための維持費は首都圏での生活に影響を及ぼすほどの水準となっていきました。そして、永遠に続くと思われていたバブル経済も終焉を迎え、失われた20年といわれるようなデフレ時代が到来します。

世の中の大きな変動により、モビリティライフも大きく変化することを余儀なくされ、また、インターネット時代の到来は我々のライフスタイルを変えるのに十分すぎるようなものであり、次から次へと新しいサービスが提供されるようになります。

モビリティライフの変化の中でも特に大きいのが、クルマとは所有するものではなく楽しむものへと変化していったということです。そして、それらを実現させたのが、カーシェアリングサービスや中古車一括査定サービスなどのバブル崩壊後に新たに登場したサービスです。

マイカーを売却し、カーシェアを利用する

インターネット時代の到来は、様々な新たなサービスを消費者に提供することになりましたが、マイカー所有者にとって大きかったのは何といってもカーシェアリングサービスです。

多くのマイカー所有者は、毎日車を利用するわけではなく、週に1～2度の利用のために高額のコストを当たり前のように毎月支払っていました。一般企業ではありえない話ですが、クルマを所有することがステータスであった時代には当然のことであったのです。

しかし、バブルの崩壊は、ステータスのためにクルマを所有することを難しいものとし、そこにバブル期の遺産ともいえる空き地を利用して作られていた時間貸し駐車場に設置されたカーシェアサービスは、クルマを所有しなくても生活が不便にならないようなサービスでした。

カーシェアリングサービスが登場したことで、マイカー所有者の多くはマイカーを売却するという選択肢を考えるようになり、そこに登場する中古車一括査定サービスを利用すると、個人でも難なくクルマを有利な価格で売却することができるようになりました。

カーシェアを中心とするこれらのサービスの登場で、マイカーの代わりにカーシェアを利用するという人が急増することになりますが、結果的に、それまでマイカー生活をしていた人たちは、多くのことを捨てることができることになったのです。

マイカーからカーシェアへの変更で捨てられた7個のものとは

マイカーからカーシェアに変更するだけで、これまでかかっていたコストや面倒なことがざっと考えても7個は捨てることができるようになるはずです。

駐車場代

首都圏のマイカー所有者が最も頭を悩ませていたのが駐車場代の高騰でしょう。首都圏では、一軒家で生活する人というのは少数で、多くはマンション住まいとなりますが、機械式駐車場とは言え安くとも1万円以上、人気エリアなどになると3～5万円以上もざらにあるような状態です。

クルマ代のローンやガソリン代よりも駐車場のほうが高いという人も多いでしょうし、首都圏ならではの問題ですが、クルマの維持費の中でも駐車場代が最も高いものとなっていました。

ガソリン代

クルマの燃費や利用頻度にもよりますが、マイカーを所有する限りは燃料費は必ず発生しますので、これも利用頻度によってはクルマの維持費の中でも大きな比重を占めるものとなります。また、何よりガソリンスタンドに行って給油するという作業自体もいささか面倒です。

税金

クルマを所有するのにも税金がかかります。もちろん、クルマを購入するときにもかかります。初めてクルマを購入するという人は要注意です。

車検代やメンテナンス代

これも法令で定められていますので、車検は必ず実施する必要があります。新車の場合には3年に1度、2回目以降は2年に1度、10年経過後には毎年の車検が必要となります。

任意保険

いざという時のために任意保険はドライバーとして当然入るべき商品です。しかし、以前は結構な金額でしたが、インターネット時代には通販型の自動車保険がメインとなり、保険代金は以前よりは相当お安くなっています。

買い替え

新車で購入しても、5～10年ほどで買い替える人が多いですが、高額商品の買い替えですからそれなりにパワーが必要となります。少しでも有利な価格で売却し、同様に有利な価格で購入したんですから、マイカー所有者にとって買い替えは一大イベントとなります。

洗車

意外と洗車で悩みを持っている人は多いのですが、単純に洗車するのが面倒ということもあるでしょうし、特に首都圏の場合に問題となるのは洗車できる場所がないという問題です。

マンションの駐車場の場合には、ほとんど洗車場はありませんし、専用の洗車場というのも場所の問題から数えるほどしかなく、休日に利用しようとすると順番待ちといいうような状況です。結局のところ、ガソリンスタンドの自動洗車機か洗車サービスを利用するしかないというのが実情です。

カーシェアの大きなメリット

カーシェアリングサービスには、いつでも利用したいときに利用できて、利用した分だけの料金を支払えば良いという大きなメリットがありますが、予約もインターネットから簡単にできますし、キャンセルも直前までなら無料でできます。

利用するのも、レンタカーのように都度事務所で手続きする必要もなく、ICカードをクルマのステッカーにかざすだけで自動解錠となります。問題となるのは、カーステーションが近くにあるかどうかという点ですが、カーステーションが近くにある場合には、もはや利用しない手はないという感じの優れたサービスです。

つまり、カーステーションさえ近所にあれば、ほぼほぼマイカー代わりとしての役割を果たしてくれるわけで、マイカー所有時代の駐車場代、ガソリン代、税金、任意保険代、車検・メンテナンス代はすべて安価な利用料金の中に含まれており、面倒な洗車も必要ありません。（給油や洗車をすると無料利用チケットがもらえたりします。）

まとめ

カーシェアリングサービスのことを、近年まれにみる利便性の高いサービスと表現する人も多くいますが、特に、首都圏で高い維持費を支払いながらマイカー利用していた人にとっては、ありえないとも言ってよいほどの優れたサービスかもしれません。

せっかくの優れたサービスですから、シェアードサービスであるということを認識したうえで、新たなモビリティライフを楽しみたいものです。

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