この記事の目次
プロドライバーでも事故を起こしやすい状況とは
以前、仕事の関係で毎日のようにタクシーを利用していたことのある筆者は、ある時タクシーの運転手さんに「タクシードライバーさんで一番多い事故って何ですか?」と聞いたことがあります。すると、個人タクシーのベテランドライバーさんから「そりゃ~、間違いなくバックする際の事故ですよ!」と教えてもらったことがあります。
プロドライバーであるタクシーの運転手さんがバック時に一番事故を起こすとは、俄かに信じられないという気もしますが、よく聞いてみると、事故が起こるケースとしては、夜間にお客さんを自宅やマンションのエントランスまで送迎した際に、十分なスペースがないケースで、見知らぬ道路(通路)をバックしていて気づかずに電柱などのポールにぶつけたりする事故だということでした。
言われてみれば納得しますね、確かに夜間に初めて通る狭い通路などでは、どこに電柱やポールがあるのかなかなか確認するのは難しいですし、雨でも降っていれば余計にわかりずらくなります。
ほとんど毎日運転しているタクシーのドライバーさんでさえ、このケースで最も多く事故が発生しているということは、私たちのような素人ドライバーの場合には、相当な注意が必要ということになります。
基本的には、そのような環境時や、初めて通る狭い道路などはなるべく避けるというのも一つの方法ですが、入ってしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょう。
ここでは、毎日運転しているタクシードライバーさんたちの安全運転テクニックについて見ていきましょう。
カーシェアの事故で最も多いカーステーションでの事故
2017年にパーク24がタイムズクラブ(タイムズカーシェア・タイムズレンタカーなど)会員に調査したところによると、会員の約96%が運転中にヒヤっとしたことがあり、そのうちの71%が急な飛び出しによるものでした。
ちなみに、カーシェア歴6年のヘビーユーザーである筆者の場合には、首都圏で利用することが多いせいか、こちらの存在に気付かずに車線変更してくるクルマに何度かヒヤっとしたことがあります。
それでは、実際にカーシェアリングサービスを利用しているユーザーが起こす事故で一番多いのは何の事故でしょうか?
これタイムズカーシェアユーザーの方ならすぐにわかるかもしれませんね!何故ならクルマを返却する際には必ず「ご返却の際は、駐車場での事故にお気を付けください、駐車場での事故が一番多くなっています」と毎回アナウンスされますから。
確かに、カーステーションの設置場所といえば、都心部の駅前の比較的狭い時間貸し駐車場というケースが多く、出し入れも難しいことが多く、また、夜中でも人通りがあったりするところもありますので、特に返却時には結構気を使いますよね。
筆者が長年利用していたカーステーション(すでに閉鎖)は地下鉄の駅の真横の狭い道路沿いにありましたので、バックしながら返却するのが少し面倒で難しく、女性ユーザーの方でしたが、毎回返却時には頭から突っ込んで返却されていました。
まあ、お気持ちはよくわかるのですが、これはもちろんタイムズカーシェアの規則では禁止されています。少し考えれば、次に利用する人がクルマを出す際に大変だというくらい分かりそうですが、それ以上に事故るのが怖いということなのでしょう。
カーシェアリングサービスを、シェアードサービスとしてではなく、通常の企業が提供するサービスと勘違いして利用されている典型例ともいえます。
ここではこの問題はおといて、それほどまでにカーシェアの場合には駐車場での事故が多いということで、これは冒頭でご紹介したタクシードライバーさんのケースとほとんど同じようです。
知っておきたいプロの安全運転テクニック~駐車場偏~
カーシェアユーザーの場合には、とりあえずはカーステーションへの出し入れの際が最も事故が発生する可能性が高いわけですから、まずはここをきちんとマスターしておきたいところです。
駐車場での事故パターン
駐車場での事故パターンは2つあります。
1.駐車/発車する際に左右の駐車車両に接触する
2.駐車/発車する際に駐車場を走行する他の車両や歩行者、看板、ポールなどの構造物に接触する
事故の要因として考えられるのは以下のポイントです。
・一つのことに神経が集中し、他のことへの注意が不足しがち
駐車スペースを探すのに気を取られているケースなど
・障害物となる構造物(特に上方)に気が付かない
普段は気にしていない、特に上方の障害物に注意がおろそかになりがちです
・あせり、急ぎからの確認不足
これはカーシェアではありがちでしょう、返却時間が迫っているケースなどです
・マンネリ化や油断からくる確認不足
筆者のようなヘビーユーザーは要注意です
・いつもと違う行動のために安全がおろそかになりがち
いつも利用しているカーステーションとは違うステーションを利用する際など
駐車場での事故防止のポイント
駐車場(カーステーション)では、徐行で(時速10km以下、バックの際にはさらにゆっくりと歩行者の速度で)進行し、絶えず他の車両や歩行者の動きに目を配ります。
・バックをする際
初心者ドライバーやたまにしか利用しないという人の場合には、まずはクルマを止めて下車して自らの目で側方間隔等を確認するというのも重要です。次に、ギアをバックに入れてもすぐには動かず警報音が何度か鳴ってからバックするようにします。
筆者が上記の個人タクシーの運転手さんに聞いた際には、最近はバックの際に窓を開けない人が多いが、窓を開けることで多くの情報を感知することができるので、必ず窓を開けると話されていました、これ重要ですね!
また、同乗者がいる場合には、必ず誘導してもらうようにしましょう。この際も、ミラーで確認するだけではなく必ず窓を開けるようにしましょう。
・発進する際
自動車教習所で習ったように、乗り込む前にはクルマの周囲を一度回り、左右のクルマとの間隔や障害物の有無、子供がいないかなどを確認し、走行車両や歩行者の有無の確認もします。
まだある、注意しておきたいポイントとは
カーシェアの場合には、最も注意すべきはカーステーションからのクルマの出し入れとなりますが、通常の運転時にも気をつけたいポイントは多くあります。
・車庫入れのポイント
敢えて1回で入れない、一度止まって切り返してから入れる。運転が下手と思われても、ぶつけるよりは良いと考える。
・交差点での右折時のポイント
右折の際のコツはショートカットしないで「直角で曲がる」。右折時はAピラーで見切りが悪くなるので視界を確保するために直角で曲がることを意識します。常に視界確保のためにフロントガラスを見ます。
・車線変更時のポイント
車線変更は急に変更するのではなく直線的にずれる感覚で車線を変更します。そうすることでサイドミラーの死角になっている後続車に気づくこともあり安全です。
・高速道路渋滞発生時のポイント
後続車からの追突を避けるために、自分が重体の最後にならないように少しづつ減速していく。
まとめ
実は交通事故の多くは同じパターンで発生しています。なるべく事故に遭遇しないようにするためには、まず事故が多く発生しているパターンを知って対策しておくことで、事故に遭う確率は非常に低くなります。
短時間利用者が多いカーシェアの場合には、やはりカーステーションでの事故に要注意ということですね。そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!