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フロントガラス内側に縫いぐるみを置いて運転したら違反なの?
女性が運転する軽自動車等によく見られますが、フロントガラスの内側にぬいぐるみを並べて運転しているドライバーをたまに見かけます。
クルマも運転するだけから楽しむ時代といわれていますが、昔から多く見られる光景で、女性がファッションとして置いたり、あるいは、子供のころからペット同様に扱ってきたぬいぐるみをいつもそばに置いておきたいというケースもあるでしょう。最近は、若い男性にも多いそうですが?
また、ファッションとしてだけではなく、大型スーパーやアウトレットモール、あるいは、混雑時の高速道路のサービスエリアなどの大型駐車場では、よほど特徴のあるクルマでもない限りは、ややもするとクルマをどこに置いたのか分からなくなることもありがちです。
そんな時のために、目立つようにとぬいぐるみをフロントガラスに置いている人も多いと思われます。
しかし、この何気ない普段の行動が、実は道路交通法では禁止されているということを知っている人はあまりいないようです。まあ、知っていれば置かないでしょう。
フロントの視界を遮るものは基本的にアウト
ぬいぐるみだけではなく、基本的にクルマのフロントの視界を遮るようなものは、道路交通法により設置してはいけない決まりとなっているのです。
最近、よく見かけるナビ代わりに利用されるスマホの吸盤タイプのフォルダーも同様で、フロントガラスにふけるのは違反となります。
では、フロントガラスに付けてよいものは何かというと、車検ステッカー、TVフィルム、ドライブレコーダー、ETCセンサーなどの保安基準で定められているもののみとなります。つまり、それら以外のものは、例え大切なぬいぐるみであっても、視界を遮るものとみなされ取り付けてはいけないのです。
道路交通法第55条2項
車両の運転者は、運転者の視野もしくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、または外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯もしくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、または積載をして車両を運転してはならない。
法律ですから分かりにくいですが、ここでのポイントは「運転車の視野を妨げる」「ハンドルその他の装置の操作を妨げる」「後写鏡の効用を失わせる」ということになりそうですね。
常識的に考えれば、そこそこ大きいものを置いた場合には検挙される可能性もあるということでしょうか?
このことが原因でキップを切られたという話もそれほど聞きません。スピード違反などのように明確なラインがなく、基本は警察官の判断に任されていますので、よほどのことがない限りは注意されるくらいで済むのでしょう。
エアバックが正確に作動しない可能性も
道路交通法では禁止されているものの、明確な線引きが示されていないことから検挙されることも少なく、そのため、いまだに多くの人がフロントガラスの内側に小さなぬいぐるみを置いたりしているのでしょう。
しかし、検挙される可能性が少ないからと甘く考えていると、万が一の際には、危険な目に遭う可能性もあります。
その一つが、クルマに標準装備されているエアバッグが正確に作動しない可能性があるということです。
ほとんどの方は意識していないでしょうが、交通事故の衝突時に乗員の身を守るエアバッグはダッシュボードにも内蔵されています。ダッシュボードにぬいぐるみを置いている場合、ダッシュボードに内蔵されたエアバッグが正確に作動しない可能性があるのです。
その他にもあるダッシュボードのぬいぐるみの危険
ダッシュボードにぬいぐるみを置いて視野が遮られる際には、手っ取り早くぬいぐるみを他の場所に移せばよいだけですが、意外と危険なのが、急ブレーキの際などにぬいぐるみが足元に落ちてきて、ブレーキやアクセルの操作ができなくなり、慌ててしまい事故を引き起こしてしまう可能性です。
一度このような経験をして、二度とダッシュボードに物は置かないという人も意外と多いと思われます。
かわいいぬいぐるみの「癒し効果」には、運転時のイライラ感を和らげる効果があるという人もいるかもしれませんが、それでもわざわざ危険なダッシュボードの上に置く必要はないでしょうね。
フロントガラスにはお守りもつけてはいけないの?
お正月に初詣に行った人も多いでしょうが、それでは、神社でもらったお守りも、例え交通安全のお守りであったとしてもフロントガラスにはつけてはいけないのでしょうか?
厳密に言えば、保安基準に指定されたものではありませんので「アウト」ということになるのでしょうが、さすがに、交通安全のお守りで検挙する警察官も少ないでしょう。
もちろん、お守りといっても大きなものでフロントの視野を遮るようなものはだめですが、通常の小さなものであれば視野を遮ることもないでしょうから、そこまで神経質になる必要もないのかもしれません。
ただし、お守りとは普段から身に付けるようなものですから、わざわざフロントガラスに付けなくても良いでしょうし、ダッシュボードの中に入れておいたとしても効果が半減するというものでもないですよね。
カーシェアユーザーはダッシュボードに物を置かないようにしましょう
特に、カーシェアユーザーの場合には、初心者ドライバーやたまにしか運転しないという人も多いですから、ダッシュボードにはぬいぐるみなどのものは置かないようにしましょう。
何度か「ヒヤっとした!」経験のあるベテランドライバーなら、クルマの運転時にはなるべくリスクを取らないようにと考えるでしょうが、クルマを楽しむ時代の人たちは、あまり経験がないだけにダッシュボードに物を置くことの危険性を知らない可能性が高いと思われます。
いくら、カーシェアサービスには、その安価な利用料金に自動車保険料まで含まれているとは言っても、運よく軽くぶつける程度の事故ならまだしも、大きな事故になる可能性も当然あるわけですから。
また、運よく小さな事故で軽くぶつけたレベルでも、NOC補償をかけていない場合にはNOC料金(コンパクトカーの場合で2~5万円)は発生しますから要注意です。
まとめ
多くの方は意識していないでしょうが、フロントガラスの内側にぬいぐるみを置いて運転することは、道路交通法では禁止されています。
法的な解釈には異論をはさむ余地もありますが、実際に、運転時に急にぬいぐるみが足元に落ちてきたりすると危険ですし、どうしてもクルマの中におきたい場合には、運転者の邪魔にならない場所に置くようにしたいものです。
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