dカーシェアもうすぐ1年
2017年12月鳴り物入りで新規参入してきたdカーシェアですが、サービススタートからもうすぐ1年が経過しようとしています。
dカーシェアは、本日11/1より「カレコ・カーシェアリングクラブ」および「名鉄協商カーシェア・カリテコ」も利用できるようになり、ようやっと本格的な土壌が整ってきました。
モバイル最大手のドコモが提供するdポイントのサービスの一つとしてスタートしましたが、130万人を超えるともいわれる急増するカーシェアユーザーを獲得することができているのでしょうか。
サービススタートから1年が経過しようとしているdカーシェアの現状と今後について調査してみました。
dカーシェアがターゲットとするユーザー層とは
dカーシェアがサービスを開始するにあたり狙いをつけていたターゲット層とは、例えば、タイムズカープラスを利用するコアなヘビーユーザー層ではありません。ここを狙うためには、提携先であるオリックスカーシェアのカーステーション数では全く歯が立ちません。
dカーシェアがターゲットとしているのは、カーシェアのヘビーユーザー層というよりは、むしろ、スマホのヘビーユーザーであり、通常はクルマを運転することはないペーパードライバーに近いような人たち、あるいは、カーシェアをクルマ以外の用途で利用したいと考えている人たちとなります。
この点から考えると収益はさておき、一定の効果は上がっていると思われます。なにせ、dポイントサービスという強力なバックボーンがありますので、dポイントの会員でたまにクルマを運転したいという人には最適なサービスとなった可能性もあります。
ただし、dポイント会員でdカーシェアを利用してみたら、意外と便利なことに気づき頻繁に利用するようになったというユーザーは、コスト面やカーステーションの場所の問題からタイムズカープラスへと乗り換えた人も一定数はいると考えられます。
利用してみてわかるdカーシェアの本当の強みとは
dカーシェアには、オリックスカーシェアの他にも、マイカーシェア(個人間カーシェア)、レンタカーサービス(大手レンタカー会社が利用可能)と3つのサービスから成り立ちます。このうち、実際には利用するのに敷居の高いマイカーシェアはもう少し時間がかかるでしょうし、レンタカーサービスもdポイントで利用できるという以外にはそれほどのメリットも感じられません。
メリットが感じられるのはオリックスカーシェアの部分と考えてよいでしょう。
初期コスト・毎月の基本料金が無料
普段クルマを運転しない人がターゲットですからここは重要です。また、オリックスカーシェアやカレコにも毎月の基本料金無料のコースはありますが、dカーシェアが料金は最安値となります。
NOC補償も利用料金に含まれる
他社のカーシェアの場合、例えば、最大手のタイムズカープラスでは、自動車保険は利用料金に含まれますが、NOCを免除するにはTCP安心補償サービス(309円)に加入する必要があります。1日借りるのであらば309円は非常に安いのですが、短時間利用の場合にはかなりの割高感があります。
ところが、dカーシェアの場合には、自動車保険のみならず何とNOC補償まで利用料金に含まれているのです。おまけに、ロードサービス等も付帯しています。これは、dカーシェアだけのサービスであり、たまにしか利用しないユーザーにとっては非常に大きなメリットとなるでしょう。
ドコモユーザーならクレジットカード不要でも登録できる
ドコモユーザーの場合には、クレジットカーでの支払いの他にもドコモの携帯払いも利用できます。もちろんdポイントも利用可能です。実は、他のカーシェアリングサービスでは、クレジットカードは必須となり、デビットカードなどでも現時点では支払うことができません。
何らかの理由でクレジットカードを所有していなう人にもdカーシェアはおすすめです。
ICカード不要でもOK
dカーシェアでは、他社のようにICカードを作る必要がありません。Felica搭載のスマートフォンまたは交通系のICカードがあれば、ICカードとおねじ用に利用することが可能です。これにより、dカーシェアではICカード作成による初期コストも発生しません。
6時間パックにメリット感あり
カーシェアのコアなヘビーユーザーにとっては、たまに利用すると便利なdカーシェアには料金的なメリット感はそれほどありませんが、6時間パックは距離料金込みの4,200円となっており、毎月の基本料金がかからないということを考えると、オリックスカーシェアのカーステーションが近くにある場合にはメリット感があります。
キャンペーンでdポイントがもらえる
dカーシェアでは、会員登録するとdポイントが付与されるキャンペーンが行われており、これ目当てで会員登録する人も多いようです。ちなみに、2018年10月のキャンペーンは、会員登録して1回利用すると1,000dポイントが付与されます。
dカーシェアとオリックスカーシェアの料金比較
dカーシェアの料金体系は、簡単に言うと、オリックスカーシェアの個人Bプランを有利な料金体系にしたものと考えられます。
元々、オリックスカーシェアの個人Aプランを利用するユーザーは、そこそこカーシェアを利用するユーザー層で、かつオリックスカーシェアのカーステーションが便利な場所にある人でしょうから、ここはdカーシェアのターゲット層とはかぶりません。
オリックスカーシェアとしては、カーステーション数で最大手のタイムズカープラスと比較すると圧倒的に不利であるために、dカーシェアとの提携は理想的な提携であったと考えられ、その分、dカーシェアは個人Bプランと比較するとメリット感の高い料金体系となっています。
Dカーシェア | オリックスカーシェア
個人Aプラン |
オリックスカーシェア
個人Bプラン |
|
月額料金 | 0円 | 980円(無料利用分) | 0円 |
ショート15分 | 230円 | 200円 | 300円 |
6時間パック | 4,200円 | 3,500円(16円/km) | 5,250円(16円/km) |
12時間パック | 6,500円(16円/km) | 4,500円(16円/km) | 6,750円(16円/km) |
夜間パック | 2,500円(16円/km) | 2,500円(16円/km) | 2,500円(16円/km) |
※ スタンダードプランでの比較、オリックスカーシェアの個人Aプランは一般会員のケース
※ 夜間パックは、20時から翌9時まで
まとめ
2018年10月には、トヨタとソフトバンクの提携というモビリティライフの大変革を象徴するようなニュースが飛び出てきましたが、自動運転がデフォルトとなる新しいモビリティライフでは、自動車産業だけではなくモバイルキャリアやIT大手企業の異業種参入が予想されます。
モバイルキャリア最大手のドコモがどのような形でモビリティ産業に参入してくるのか注目されるところですが、その前段階でのカーシェアリング事業への参入はまずまずの成果を上げているのではないでしょうか。
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